三重県鈴鹿市は5日、同市神戸1丁目のイスのサンケイホール鈴鹿で「SUZUKA女性活躍推進フォーラム」を開き、電話相談の「ダイヤル・サービス」(東京都)を創業した日本の女性起業家の第一人者、今野由梨社長(86)=桑名市出身=を講師に迎えた特別講演と座談会をした。
同市制80周年記念とSUZUKA女性活躍推進連携会議関連事業で、市の女性活躍の機運を高めるのが狙い。
今野社長は昭和44年に同社を設立。法規制と戦いながら電話相談を開始し、時代のニーズに応える数々のサービスを立ち上げてきた。これまでに郵政大臣賞、世界優秀女性起業家賞受賞、旭日中綬章受章などの経歴を持つ。
特別講演のテーマは「市制施行80周年、女性活躍これから」。今野社長は半生を振り返りながら、起業への思いや幾多の困難を乗り越えた経験を話し、「人生には次々と試練が襲いかかる」と述べ、「自分に与えられた試練を『天から授かった大きな宝物』として、『自分の大事な使命』と受け止めてどんなことがあっても諦めてはいけない」と力強く語った。
座談会では今野社長のほか、末松則子市長、田中彩子鈴鹿商議所会頭、鈴鹿高専の学生6人が「女性が輝くまち SUZUKAを目指して」をテーマに意見交換した。
学生は授業の一環として起業に取り組んでおり、「事業継続において重要と考えることは何か」と質問。今野社長は「応援してくれる人を増やしていくこと」とした上で「失敗しまくって、若者らしく恥もかきながら頑張りなさい」と学生らを鼓舞した。
会場には市民約400人が訪れ、熱心に話を聞いていた。