昨年10月に開催の第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」で準優勝した三重県聴覚障害者男子バレーボール部(三重ボーイズ)は大阪市に敗れ、あと一歩で逃した日本一を目指して再出発。今月25、26日に神奈川県で実施の今年最初の公式戦、ジャパンデフバレーボールカップ川崎大会に臨み、今年鹿児島県で開催の全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」のライバル候補らと再び熱戦を繰り広げる。
全国2位になってもやることは変わらない。「基本はしっかりとセッターに(ボールを)返すこと」と話す北村弘和監督。チームを挙げてレシーブ技術のレベル向上に取り組み、レシーブが乱れた時の二段トスの練習にも励んでいる。
昨年5月の東海・北信越ブロック予選を県勢で初めて1位通過した。県立聾(ろう)学校のバレーボール部OBを中心に活動してきたが、全国屈指の強豪の愛知などの厚い壁を崩せず、全国障害者スポーツ大会への道は閉ざされてきた。
好転のきっかけはデフリンピック元日本代表で愛知でも主力として活躍していた田畑稔選手の加入。2021年に開催が決まった障スポ三重大会に向けて、津市の社会人バレーチーム「ユリイカ」所属の北村さんが監督、木岡隆行さんがコーチに就任し、指導体制も整った。
田畑選手は川崎大会は欠場の見込みだが23歳のレフト今村翔太朗主将ら若い布陣で再び全国の強豪に挑み、チームの底上げにつなげたい。「優勝しかない。勝つことはもちろんだが、監督、コーチを日本一にして喜んでもらいたい」と目標を掲げる今村主将は「(田畑選手の代わりに)キャプテンの自分がチームのフォローや盛り上げ役を努めたい」と決意を固める。