子供が好きなおやつの代表格とも言える「チョコレート」。子供に与える量や種類など、気になるママパパも多いはず。
そこで今回は、子育て両立・共育支援事業を行う「エスキッチン」で食育サポーターとして活躍する管理栄養士や調理師など食のプロ5人に、子供におすすめのチョコレートを選んでもらいました。
食のプロが選んだ! 子供におすすめの市販チョコレート
まずは、食のプロ5人が集まり、「チョコレート」をテーマに座談会を敢行。子供におすすめの「市販チョコレート」を選んでもらいました。
アンパンマンチョコレート(不二家)
【おすすめポイント】
1袋に牛乳2本分(400cc)のカルシウムと、歯にやさしいポリフェノールが配合されています。さらに、個包装なので食べ過ぎ防止にも有効。
中身は、さまざまなキャラクターの形をしたチョコレートが入っているので、子供が楽しみながら食べられるのもポイントです。
ミルクチョコレート 50g(明治)
【おすすめポイント】
体の中に残りやすく消化吸収が悪い、トランス脂肪酸と言われる「植物油脂」が使用されていないので、子供が食べるのに安心です。
ちなみに、同社の同じ板チョコでも、「明治ハイミルクチョコレート」や「明治ブラックチョコレート」には植物油脂が含まれています。
THE・CHOCOLATE ベルベットミルク51%(明治)
【おすすめポイント】
市販のチョコレートのほとんどが、砂糖や植物油脂の配合が多いのに対し、同商品は、カカオマス、砂糖、ココアバター、全乳紛、脱脂粉乳といったシンプルな材料で作られているのが特徴。
余計なものが省かれているため、子供にも安心です。カカオ含有量が51%なので、子供でも苦みを感じずに食べることができますよ。
チロルチョコ(チロルチョコ)
【おすすめポイント】
1粒ずつ個包装にされているので、子供の食べすぎ防止になります。選ぶ際は、歯にべた付きやすいキャラメル入りやコーヒー味のものではなく、ビスケット生地などの方がボリューム感がありおすすめです。たくさんの種類があるので、選択肢が多いというのも楽しさのひとつと言えます。
ペロティ ミッキーアンドミニー(グリコ)
【おすすめポイント】
植物油脂の使用量が少ないので安心です。成分表示の「植物油脂」が5番目に表記されており、一般的なチョコレート菓子に比べて植物油脂が少ないと言えます。
スティックタイプなので、子供が手を汚さずに食べられるのも魅力です。
鉄&カルシウムウエハース(井藤漢方製薬)
【おすすめポイント】
鉄やカルシウムなど、チョコレート以外の栄養素が豊富です。ウエハースでは珍しく個包装で、持ち運びにも便利な点もおすすめ。
しみチョココーン(ギンビス)
【おすすめポイント】
カルシウム・食物繊維入りで、コーンは遺伝子組換えでないものが使用されているので安心。子供が食べる際に手が汚れにくいのもポイントです。
ココくんのチョコワ(ケロッグ)
【おすすめポイント】
9種類のビタミンをバランスよく摂取できる栄養機能食品です。1食(30g)に牛乳200gをかければ、一日に必要な量の50%のカルシウムと鉄分を摂取できます。
コアラのマーチ(ロッテ)
【おすすめポイント】
チョコレートの部分を直接触らないので、手を汚さずに食べられます。持ち運びに便利な3連タイプは、子供の食べすぎ防止にも有効です。見た目がかわいいので、目で見ても楽しめますね。
トッポ(ロッテ)
【おすすめポイント】
こちらもチョコレートの部分を直接触れずに食べられるので、手を汚さないのが魅力。プレッツェルがチョコレートを覆っているため、食べた時の満足感があります。
1箱2袋入り(1袋12本入り194カロリー)なので、家族やきょうだいとシェアして食べるのもおすすめです。
子供に食べさせたいチョコレート菓子とは?
チョコレートを選ぶ際のポイントはここ!
チョコレート菓子を選ぶ際に、気をつけたいポイントはありますか?
【川島(管理栄養士)】「やはり安全性ではないでしょうか。子供向けに作られたお菓子かどうかも選ぶ際のポイントになると思います」
【吉田(管理栄養士)】「成分表示の順番をみるのもポイントですね。成分表示は、含まれる量が多いものから順番に記載されています。チョコレートの場合は、植物性油脂や糖分が少ないものの方が良いので、成分表示の後ろの方に植物性油脂が記載されているものを選ぶと良いですね」
【山田(管理栄養士)】「その商品が子供向けかどうかも判断材料になりますね。材料が子供に適していて、誤嚥の心配などがなく、安全性が高いかどうかも大切だと思います」
【淵江(管理栄養士)】「子供向けの商品には、カルシウムや鉄分などが含まれているものも多いので、少しでも栄養が補えるとうれしいですよね」
安全性が一番のポイントだという意見は、全員一致でした。パッケージの後ろに記載されている成分表示をチェックすると、添加物やカフェイン、アルコールが入っているかどうかも確認できます。普段から意識してチェックする習慣を身につけたいですね。
個包装や食べすぎ防止も重要!
成分以外で判断するポイントはありますか?
【川島】「個包装になっているものがいいですね。食べすぎの防止になります(持ち運びも便利かと)」
【加野(調理師)】「個包装でない場合でも、保護者があらかじめ食べる量を決めて渡したり、ダラダラ食べさせない工夫をすることが大切ですね」
【山田】「チョコレート菓子に限りませんが、量や回数を決めて食べすぎを防ぐことはとても重要です。ビスケット生地やクッキーなどと一緒になっているチョコレート菓子は、少量で満足感が得られるのでおすすめです」
【淵江】「あとは、子供にとって食べやすいかどうか。ボロボロこぼれやすいものは食べにくく、ママも掃除が大変ですよね」
【加野】「大人と比べて子供の手は体温が高いので、そのままチョコレートを持つと溶けやすいです。ほかの材料でコーティングされているお菓子であれば、手が汚れたり、ベタベタせず安心して食べさせることができますね」
個包装がいいという意見は全員一致。また、チョコレートには中毒性があるので、一度食べ始めると止まらなくなってしまうことも多いそう。子供に与える際には個包装だと安心です。あくまでもおやつは嗜好品なので、食事に影響しない程度に、量やルールを決めて食べさせてあげたいですね。
子供に「NGチョコ」はどんなもの?
おすすめできないチョコはコレ!
あまり子供におすすめできないチョコレート菓子には、どんなものがありますか?
【淵江】「歯に張り付きやすいキャラメルが入っているものは、虫歯の原因になりやすいのでおすすめできません」
【山田】「抹茶入りや、コーヒービーンズなど、カフェインが含まれているものも避けたいですね」
【川島】「高カカオ(含有率が70%以上のもの)は、普通のチョコレートよりカフェインが多く含まれています。にがみも強くなるうえ、カルシウムの吸収を阻害する恐れもあるので、子供が食べるのには適しません」
【加野】「当然ですが、アルコールを使用した商品もおすすめできませんね」
【吉田】「植物性油脂が多いものや、砂糖の割合が高いものも気をつけたいですね」
【淵江】「カラフルであまりにも色鮮やかなチョコレートは、着色料が少し心配になります。国の基準をクリアしているものなので、過剰に不安になる必要はありませんが、あえて購入しようとは思わないです」
【川島】「誤飲や窒息につながる可能性が高い小粒タイプのものも注意が必要です」
【加野】「どんなお菓子にせよ、過剰なカロリーの摂りすぎには気を付けたいですね。子供の年齢にもよりますが、おやつは1日100〜200カロリー以内で食事とは別のご褒美や楽しみの一つとしましょう。お菓子を選ぶ際は、ぜひカロリーもチェックしてください」
お菓子を選ぶ際のポイントがよくわかりました。ぜひ日々のおやつ選びの参考にしてください。次回は、ポテトチップスについて選んでもらいます。
お話を聞いたのは…
加野 有美(かの ゆみ)
エスキッチン食育サポーター
大学卒業後より料理講師など食に携わる仕事を経て「食べること=生きること」をモットーに、多くの人が健康的でイキイキと過ごすことができる食の提案をしている。旬の野菜料理やパン、製菓を得意とする。調理師・食育インストラクター・国際薬膳食育師など食に関する資格を多数所持し、食育講座やレシピ提案、ライター業、イベント、出張料理と多岐にわたり活動中。保育士資格を保有し、子どもたちの食育にも力を入れている。