北海道・滝上町で7月12日、クマに襲われたとみられる女性が遺体で見つかりました。取材を進めると、現場の林道のある問題点が見えてきました。
現場はヒグマの生息地
森林管理署「クマは普通にいると思う」
付近の人「怖いことを知らずに来ていたんでしょう」
目撃者「立ち上がって吠えられたこともある」
そして取材中にもー。
警察「あ、さっきそこに居ましたけど。当たり前なんでこの辺にいるのは」
道外の旅行者がなぜ
地元でもよく知られたクマの出没エリア。女性はなぜ、この林道を通ったのでしょうか。
道外からの旅行者とみられる女性の遺体が見つかったのは12日でした。
その後警察は、亡くなった女性は神奈川県横浜市に住む無職・黒澤裕美さん69歳と発表しました。
現場近くの国道沿いには黒澤さんが借りたレンタカーが止まっていて服装から黒澤さんは1人で登山に来たとみられるということです。
第一発見者が語る
遺体を発見した畠山俊広さん「林道の両脇に草が生い茂っていて、昼間でも薄暗いような場所」
森林管理署の男性が車でパトロール中に遺体を発見しました。
「これが旧国道だが、これをずっと走って2.5キロぐらい。このちょうどカーブの手前に女性の方が倒れていた。その10mぐらい前には、左側にクマの寝床みたいなものがあって、ふんとか女性の帽子とかが落ちていた」
ルートは通行止めなのに
女性の遺体が見つかったのは、観光客に人気の浮島湿原に通じる林道。しかし、この滝上町側からのルートは、がけ崩れのため数年前から通行止め。
上川町側から入るのが一般的です。
先日行われた北海道の対策会議では。道の自然環境課の担当者が指摘しました。
担当者「浮島湿原に行くには普通、上川町からの林道から入る。この方が発見されたのは普段人や車が入らない滝上側からの林道だった。なんでそこから入ろうとしたか」
なぜか道の「お勧め」ルートに
人が通らないルート…。しかし、道が自然散策の名所を紹介するホームページには、浮島湿原への行き方として滝上町側からのルートが載っていました。
看板もそのまま
さらに、林道の入口にある国道273号には、浮島湿原に行けるという看板が設置されていました。
通行止めにも関わらず表示されたルート。
この標識は7月20日、管理していた開発局が撤去しました。
町の担当者は
滝上町住民生活課・安藤雅彦課長「入ろうと思えば入れるような状態ではあった。今後は、町の管理をさらに強めて、立ち入り禁止ですということをいろんな場面で情報周知をしていきたい」
本来は通行止めなのにもかかわらず、放置されていた危険な道。道内でクマの出没が相次ぐなか、改めてその安全対策が問われています。