「最後のアングラ女優」とも称され、数多くの舞台、テレビドラマ、映画に出演する俳優の銀粉蝶(ぎんぷんちょう)さんに、美しく年を重ねる秘訣を聞いたインタビュー連載です。
2回目は、お気に入りのファッションアイテムについて教えてもらいました。
三重苦で靴迷子!救いは、リーボックのスニーカー
太めのパンツにオーバーサイズジャケットを合わせるバランスのとり方は、銀粉蝶さんならでは。靴は、リーボックのフューリーライトを合わせています。
ー私服のコーディネートを披露した『カンタン服でいくわ』(双葉社刊)では、スニーカーを合わせた素敵なコーディネートが多く登場していました。銀粉蝶(ぎんぷんちょう)さんは、靴選びはどうしていますか?
銀粉蝶さん(以下、銀粉蝶)
もともとローファーのようなかっちりとした革靴が好きだったんですが、巻き爪、偏平足、外反母趾と、足の三重苦を抱えるようになってから、革靴は長時間歩くとつらくなってきました。
靴幅に合わせると縦が合わなくなって、左右の足どちらかが脱げちゃうから、固くてしっかりとした革靴は履けなくなっちゃいましたね。本当に「靴迷子」で、最近はスニーカーばかり履いています。
昔からアディダスのスタンスミスは好きで、そればかり履いていたこともあります。あと最近よく履いているのは、リーボックのスニーカーです。
リーボックのスニーカーは偶然の出合いで、衣装で履いてみたら履き心地が良かったんです。その後にスニーカーショップに行って試着したら、やっぱり足にぴったり合ったのですが、なんだかデザインがピンとこなかったの。
そこで、インターネット通販で初めて好みのデザインを探して買ってみました。履かないで買うなんて一か八かと思っていたのですが、ものすごく良かった! それ以降、リーボックのホームページから直接購入しています。
最近は他のブランドも試そうかなと思っています。スニーカーであんまりお高いと「ウムム〜」となっちゃう昔の人間なので(笑)、なかなかいい出合いがありませんね。
リーボックのスニーカーは、持つと驚くほど軽い!色違いで何足も持っているそう。
足元のおしゃれは、靴下で決める!
デニムにも、白い靴下を合わせています。
緑とネイビーチェックの靴下は、仙台で購入
ー銀粉蝶さんの足元のおしゃれのポイントは、スニーカーだけではありません。緑や黄色、白、赤と、カラフルな色の靴下が、コーディネートのポイントになっています。
銀粉蝶
靴下は大好きで、スニーカーソックスも履きますし、丈の短い靴下もよく合わせます。色柄が気に入った靴下はすぐ買っちゃうから、クローゼットがいっぱいになってしまうので、最近はなるべく買わないように控えています(笑)。
最近のお気に入りは、ホワイトソックスを、スニーカー、革靴に合わせること。ワンピース、デニム、どんなコーディネートでも合いますよ。
GUやZARAのアイテムも気軽に着こなす
ZARAのスタジャンをさっそうと着こなしています。
ー銀粉蝶さんは30年以上着続けている服もある一方で、「GU」や「ZARA」といったファストファッションのアイテムや「Zoff(ゾフ)」の老眼鏡など、プチプラアイテムも取り入れている銀粉蝶さん。どのように、見つけていらっしゃいますか?
銀粉蝶
ぶらぶら散歩するのが好きなので、ファストファッションのお店に入って気に入ったものがあれば買っています。
今日着ている黒のタートルネックのニットも、「GU」の男性ものです。大きなシルエットがかわいいかも?と思って着てみたら、大正解。安くて暖かくて、とってもいいんです。
私、男性ものも好きなんです。GUは若い人向けのデザインが多いけれど、男性ものも探してみると選択肢が広がりますよ。
「GU」や「ZARA」といったファストファッションは商品の入れ替えのサイクルが早いから、偶然の出合い。同じデザインの物が二度と手に入らないのは、少し残念ですね。
ネイルカラーは、舞台がないときの楽しみ
銀粉蝶さんのネイルカラー
ー銀粉蝶さんの手元にも注目!赤とブラウンのネイルカラーが、モノクロのコーディネートに映えています。
銀粉蝶
マニキュアは好きなんですよ。撮影中や、舞台があるときは塗れないので、オフの時に楽しんでいます。好きな色がパッと目に入るだけでも、気分が上がりますね。
お気に入りのカラーは「O・P・I You Don't Know Jacques!」クリーミーなブラウンです
ストールは、気にせずざっくり巻きつければOK!
キャメルのストールは、新宿髙島屋のセールで購入したものだそう。
ー大判ストールをぐるりと巻きつけているコーディネートも、とても印象的でした。おしゃれに見える、ストールの巻き方のコツを最後に教えてください!
銀粉蝶
巻き方なんてないです(笑)。ただ、ぐるぐる巻いて、はじっこをピュッと入れればいいだけ。端を入れなくてもバランスが良ければ、出したままでもいいと思います。
友人にも「どうやって巻いているの? なんか、おしゃれにならないんだよね」と言われます。でも私からすると、友人の巻き方もちゃんとおしゃれに巻けていると思うんですよね。
きっと気にし始めると、だめなのかもしれません。適当にやればいいんですよ。
銀粉蝶さんのプロフィール
80年代初頭、劇作家・演出家の生田萬と共に劇団『ブリキの自発団』を創立。数多くの舞台、TVドラマ、映画とさまざまな作品に精力的に出演している。2010年、舞台『かたりの椅子』、『ガラスの葉』で第18回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。公開待機作に、映画『哀愁しんでれら』(2月5日全国公開)、映画『あの子は貴族』(2月26日全国公開)など多数控えている。
2020年11月に双葉社から出版された、スタイルブック『カンタン服でいくわ~銀さんの春夏秋冬~』で、春夏秋冬にわたる私服のコーディネートを披露している銀粉蝶さん。肩肘張らないカジュアルなファッションながら、「おしゃれ~!」と思わず目を見張る洗練されたコーディネートが次々と登場します。
取材・文=竹上久恵(ハルメクWEB編集部)、撮影=中村彰男