大ヒット中の「Nintendo Switch」向けソフト「スプラトゥーン2」が、将棋界でもブームの兆しを見せているようだ。「ニコニコ生放送」でプロ棋士たちのゲーム実況が放送され、ネット上で大きな反響を呼ぶことになった。
女流棋士が「スプラトゥーン2」を“ガチ”プレイ
「スプラトゥーン2」は、インクで地面を塗り合って対戦する新感覚のアクションシューティングゲーム。「Wii U」を代表するヒット作だった前作に引き続き、7月21日の発売から3日間で67万本を売り上げていた。7月30日には80万本を突破し、ミリオンヒットの達成も目前に迫っている。
そんな「スプラトゥーン2」を、なぜかプロ棋士たちが実況する番組が8月3日に放送された。同番組は女流二段の藤田 綾が、プロ棋士仲間たちに「スプラトゥーン2」の魅力をたっぷりと伝えていくという内容。
藤田二段は「スプラトゥーン2」の大ファンとして有名。7月にAbema TVで放送された「第58期王位戦」の中継番組では、1日のうち10時間を「スプラトゥーン2」のプレイに費やすという休日の過ごし方が紹介され話題に。今回の番組では、冒頭からゲームの説明を兼ねて藤田がプレイする様子が映され、「キャラの動かし方がガチすぎてやばい!」「上手すぎてYouTuberのプレイ動画みたい」とゲームファンを大盛り上がりさせている。
そして番組には、9月に「第65期王座戦」で羽生善治と対局することも決まっている中村太地六段がゲストとして登場。相手の陣地を多く塗った方が勝ちというルールの「ナワバリバトル」に初挑戦した。藤田二段はゲームのプレイ方法をひと通り教えると、中村六段と敵同士になってバトルに参戦。物陰から現れた中村六段を「びっくりしたー!」と言いながら冷静に迎撃したり、「怪しい動きしてたからやっときました」と遠慮なく倒したりと“ガチ”なゲーマーっぷりを見せつけた。
将棋ファンもよろこぶ展開
また、藤田二段と山口恵梨子女流二段が詰将棋を解説するコーナーでは、持ち駒の飛車をゲームで登場する武器「ローラー」に例えたり、「ここは相手に(インクで)塗られてるから進めない」と盤面をゲームの用語で説明する場面も。将棋と「スプラトゥーン2」との意外な組み合わせには、ネット上で「藤田女流のスプラトゥーン実況つけたらなぜか詰将棋やってて、ちょっと頭が混乱してる」「詰将棋の解説で桂馬をマニューバー、角をリッターとか言ってて笑った」といった声が上がっている。
最後のゲストには、“ひふみん”の愛称で知られる元プロ棋士・加藤一二三が登場。将棋界の「生きる伝説」がたどたどしくチュートリアルをプレイする様子に「ひふみんイカになってはしゃいでてかわいい」「天気や景色を楽しみながらプレイしてて、人としての器の違いを見せつけられてる」「ひふみんがスプラトゥーンやってること自体がすでに面白い」とネット上は大盛り上がり。
将棋と大ヒットゲームとのコラボレーションが実現した今回の企画。放送終了後に行われたアンケートでは96.5%が「とても良かった」に投票するほど好評を集めている。将棋界に吹き荒れた“スプラトゥーン旋風”がどこまで行くのか、今後も見守るしかないだろう。