◇米国女子◇DIOインプラントLAオープン 2日目(22日)◇ウィルシャーCC (カリフォルニア州)◇6447yd(パー71)
悩み続けていた暗い道に日が差し込んだ。前半16番、7Iでの2打目。畑岡奈紗はそれまでのホールよりも「ボール1個分」、球に近づいてアドレスした。放たれたショットはピンの奥へ。8mのパットを残すことになったが、「今までは(狙い通りの)距離が出なかったので、長いクラブで合わせていた。アゲンストの風でも7Iの距離が出ていた」と、つかんだ手応えは大きかった。
初日を4アンダーの2位で終えても、スイングがしっくり来ず、この日もアドレス時のボール位置を変えるなど試行錯誤して「不安は大きかった」ままティオフ。出だしの10番で1Wショットを右に曲げボギーをたたいた。13番(パー5)でバーディを取り返したが、14番から2連続ボギー。スコアを2つ落として迎えたのが、16番だった。
「上からクラブがちゃんと入って距離もしっかり出た」という久々のフィーリング。バーディパットも沈めてみせると、その後は畑岡らしいチャージを開始した。続く17番もピン右3mにつけて連続バーディ。圧巻は日没が迫り、気温がぐっと下がった上がり3ホールだ。
7番(パー3)、ロフト50度のウェッジでの第1打はピンそば50㎝にピタリ。8番では9Iのコントロールショットで3mをとらえた。「思っていたよりもグリーンを読めている」。最終9番では7mを強気に沈めて3連続バーディフィニッシュ。「この風だったので、きょうはイーブンパーでも悪くないと思ってスタートした。最後の3連続でアンダーパーにできたのは大きかった」と7バーディ、4ボギーの「68」に胸を張った。
これまでの苦労が、1つのホール、1つのショットで実を結んだ。直近でこれほど確かな手応えがあったのは「去年のCMEくらい」。昨年11月のシーズン最終戦以来、2022年になって初めてと言える感触だという。
「まさかこんな位置でいられると思っていなかった」と言うのは、予選を終えた段階での首位のポジション。世界ランキング1位のコ・ジンヨン(韓国)と並ぶ通算7アンダーにいる。「良くなってきているので、自信を持ってできたら」。今季初勝利への欲と期待が湧いてきた。(カリフォルニア州ロサンゼルス/桂川洋一)