◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 事前情報(24日)◇トリーパインズGC (カリフォルニア州)◇ サウスコース(7765yd、パー72)、ノースコース(7258yd、パー72)
「きょうはたくさんお酒を飲みます」。ホノルルでの優勝インタビューでそう宣言した松山英樹は、直後にしっかり祝杯をあげたという。酒量は「まあ、ほどほどに」抑えた(?)ようで、2週ぶりのツアー出場となる今大会には別の不安材料を持ち込んだ。
海を渡ってカリフォルニア州に移動した前週、20日(木)の朝にアクシデントがあった。トレーニング中に転倒し、左足のすねを強打。満足に練習できないまま、「やっと問題なく歩けるようになった」のがプロアマ戦に参加した前日23日(日)だった。開幕2日前のこの日はウォーミングアップでランニングもこなしたが、ノースコースでの練習ラウンドを計7ホールで切り上げて回復に努めた。
練習中は笑顔もあり、今のところ、一つひとつのショットやパットにかかる直接的な負担は大きくはなさそう。最後の練習日となる25日(火)で調整を図る。例年通り、新年最初の本土での試合は距離の長さが際立つ36ホールが相手。「このコースに来ると、毎年ショットが崩れるから練習しないほうがいいかな」と省エネ調整も前向きに捉えた。
昨秋に開幕した2021-22年シーズンは出場6試合で2勝。フェデックスカップポイントランキングで1位に立つ。周囲の期待が膨む一方で、本人の口調と態度に変化は少ない。「優勝した喜びはすごく強いですけど、偶然勝った感じ」とさえ言う。
「ZOZOチャンピオンシップ」でも「ソニーオープン」でも、象徴的だった最後のイーグルには確信と手応えがあった。そこに至るまでに、毎回試合中に必死に状態を上げてきた経緯を見過ごせない。「スタートからいいプレーができるように。不安なく練習もできて、考えることが少なく試合に臨めるようにしたい」。理想は前年の「マスターズ」の一週間。「そうあれば、どんな試合でも上位にいられると思う」と現状は頭に描く姿にはいまだ遠い。
年が明け、メジャーをはじめとしたビッグトーナメントが毎月行われる季節が近くなった。「当然、マスターズは来るんですけど、優勝、連覇するという気持ちにはまだならない。今の自分のゴルフはそんな状況じゃない」。春までに小さな不安をひとつずつ解消していくつもり。まずは、足の痛みから解放されたい…。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/桂川洋一)