◇米国女子メジャー◇シェブロン選手権 事前(30日)◇ミッションヒルズCC(カリフォルニア州)◇6884yd(パー72)
コロナ禍で9月開催となった2020年から3年連続の出場となる渋野日向子にとって、当地は米国で最も多くプレーしたコースになる。23年以降は会場、時期を移すことが決まっているだけに「試合がなくなっても、できれば毎年来たいなと思うくらい素晴らしいコースだし、環境。すごく残念ですけど、最後のチャンスをしっかりつかめるように頑張りたい。超楽しみ」と一層気合も入る。
やはり敵はハードなセッティング。長い距離と深いラフ、硬いグリーンに加え、午後になれば連日方向も一定ではない風が吹きつける。
カットラインに1打届かず予選落ちだった昨年は、同組だったハンナ・グリーン(オーストラリア)、ブルック・ヘンダーソン(カナダ)との飛距離差を痛感。「すごく簡単そうにゴルフをしていた」。長い番手を持たされて硬いグリーンを攻めきれず、アプローチのディフェンス面でも課題を突き付けられた。
だからこそ、1年後の現在地を知る格好の舞台とみる。「いまの自分がどれだけやれるのか試せることが楽しみだし、去年と何が変わったのかを知れるのが楽しみ」。1年以上の時間をかけ、継続してきたスイング改造。振り切れるようになってきたことで少しずつ飛距離が伸びてきた実感もある。「インコースとか特に長いので。ガンガン振りたいっす」
アプローチとパターのみで回ったケースと開幕前日のアウト9ホールのプロアマを含め、2.5ラウンドを消化した事前チェックではラフからのアプローチにも変化を感じ取った。「『去年これ打ててなかったよな』とか『こういうの寄るイメージが出なかったよな』というところで打てていたりした」
「また新しい自分になってのメジャー初戦」と位置付けるシーズン最初のメジャー。
「(初出場の)一昨年はマネジメントとか考えずに“イケイケゴーゴー”でやっていた。去年は(試合中も)スイングのことをすごく考えながらやっとった。イケイケゴーゴーもありつつ、マネジメントも考えつつ、去年みたいにスイングのことをだけを考えているわけでもない。去年とか一昨年よりは大人になれたのかな…多分」と控えめに言った。
歴代チャンピオンが18番グリーン脇の通称“ポピーポンド”へダイブする映像を見ては「やっぱりうらやましい」とタフな戦いを前にテンションも上がる。「どんなふうに飛び込みたい?」という定番の質問に「どうしましょう…スライディングとか!」。渋野らしいリップサービスで締めくくった。(カリフォルニア州ランチョミラージュ/亀山泰宏)