F1・F2入れ替え戦で勝利をしても、F1昇格は不可能に
日本フットサルリーグは、3⽉7⽇(⽇)に開催した⼀般財団法⼈⽇本フットサル連盟の理事会において、トルエーラ柏の2021年度のライセンスについて、競技基準においてFリーグが定めるF1ライセンス基準を満たしていない事からF2ライセンスを交付することが決定したと発表した。
今シーズンの開幕前、経営難に陥っていた柏は運営母体が一新。Fリーグでは名古屋オーシャンズに匹敵する経済力を持つクラブへと生まれ変わっていた。クラブはディビジョン2に所属ながらも、日本代表歴のあるFP白方秀和、FP中村友亮、元ブラジル代表FPダニエル・サカイ、元U-20フットサル日本代表GK岩永汰紀らを補強し、F1でも十二分に戦える戦力を抱えた。
実際にFリーグ・ディビジョン2では、圧倒的な強さを見せて全勝優勝を飾り、3月13日、14日に開催されるFリーグ2020-21ディビジョン1・2入れ替え戦の出場権を獲得した。
柏の快進撃は、これでは終わらなかった。2月19日から3月7日にかけて行われたフットサル版の天皇杯にあたるJFA第26回全日本フットサル選手権大会では、2回戦から出場すると、2回戦で名古屋オーシャンズサテライトに6-1で勝利。3回戦でも元Fリーガーを多数擁するクレセールフットサルクラブに7-1で圧勝し、4回戦進出を果たす。4回戦ではFリーグ・ディビジョン1(F1)のバルドラール浦安を6-0で下すと、準々決勝では日本フットサル界の「絶対王者」であり、今シーズンのF1で圧倒的な強さを見せて優勝していた名古屋オーシャンズにも2-1で勝利し、4強進出を果たす。
準決勝ではF1で2位となったバサジィ大分を6-5で下して、決勝に進出する。そして、決勝でも、フウガドールすみだを延長戦の末に5-1で破って、日本一に輝いたばかりだった。
日本一になり、歓喜に沸いた柏だったが、同日に行われていた日本フットサル連盟の理事会で、F1ライセンスの不交付が決定。今シーズン、最大の目標に掲げていたF1昇格を果たせないこととなり、一気に天国から地獄へ突き落される結果となってしまった。
具体的なライセンス基準は公にならず、不足箇所の詳細は不透明
9日に発表されたプレスリリースでは「Fリーグが定めるF1ライセンスの競技基準を満たしていない事からF2ライセンスを交付することが決定しました」と発表されている。だが、具体的なライセンス基準は公になっていないため、どの程度の不足があったのかなどの詳細は明らかになっていない。なお、リーグは同じリリースで、「他のチームの2021年度交付ライセンスについては、改めてお知らせいたします」と記している。
今週末に予定されているFリーグのディビジョン1・2入れ替え戦は、参加するF2チームにF1クラブライセンスが付与されていない場合でも実施されることとなっているため、柏はF1で最下位となったボアルース長野と13日、14日に2連戦を行うこととなる。
Fリーグは創設された2007年から、名古屋オーシャンズの1強状態が続き、ほぼ毎シーズン、優勝争いが話題にならない状況になっている。今回、F2クラブながらF1勢を破って全日本選手権で日本一になった柏には、その状況を変えるクラブであるという大きな期待が寄せられていた。しかし、F1のライセンス基準を満たせていなかったことにより、入れ替え戦を前に柏が来季もF2で戦うことが確定してしまった。(Futsal X・河合拓 / Taku Kawai)
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