「驚いている暇もなく、歩くスピード、しゃべるタイミングなど、何もわからないままロケをして、すべてが終わったあと、緊張の糸が切れたのか、ロケバスの中で涙がこぼれてきたのを覚えています。
「ハワイはドッキリだったので非現実的でしたが、北新宿では、あ、本当に『モヤさま』が始まったんだ! 私はとんでもない役回りをやることになったんだ、と不安でいっぱいになりました」
「羞恥心がなくなってきました。わりと序盤の回で、変顔が得意な人とにらめっこをすることになって、全力で変顔をしたんです。そのオンエアを観たときに、この先、何をやっても大丈夫だと悟りました。自分の殻は自分で破らないといけません(笑)」
『モヤさま』が15年続く秘訣はなんでしょう?
「さまぁ~ずさん、スタッフの皆さんが、仕事仲間というより、人として関係を築いてくださっていて、そこで生まれる楽しい空間がずっと続いている感じがします。それは、さまぁ~ずさんのお2人が醸し出している『楽しくやろうよ!』という空気感なのかなと思います」
■『モヤさま』のことはなんでも知っている
『モヤさま』は株木亘氏が、初回からプロデューサーを務めている。
『モヤさま』では初回特番から登場していた「夢の1000円自動販売機」。他局の番組ではメインコンテンツとして放送されているが、本家はどう感じているのだろうか?
「テレ東としては、企画をパクられて一人前みたいなところがあるので、全然OKです。路地裏にあった自販機がメジャーになるなんて……。親心ですかね、嬉しいです。ただ、自販機のイジり方については、僕らがいちばんおもしろいという自負はあります」
「ただたんに、ダラッとロケしているような雰囲気がありますけど、店の中でおもしろいものを発見して指摘したり、素人さんのよさを引き出しながら必死に笑いを作り出そうとする。街や街の人を題材にさまぁ~ずが本気で大喜利をしている番組なんです」
「先輩に対して『らしいっすね』っていう体育会系のノリです。僕が野球部出身なんで(笑)。断言できることも『らしいっす』にして、基本的に責任を負わない。人から聞いたことを適当にしゃべっているというキャラクターです」
『モヤさま』が15年続いている秘訣は、このゆるさ加減にあるんすかね?
かぶきわたる
1974年生まれ 宮城県出身 1998年テレビ東京入社。2007年の正月特番から演出を担当。現在、同番組のプロデューサーを務める
※『モヤさま』火曜夜11時6分~