「娘はキック力が強くてね」本並健治、58歳で生まれた長女の育児に奮闘…妻を安心させるのも大事な仕事
「かわいいですよ。親の遺伝なのか、キック力が強くてね」
「つき合ってから結婚までは早かったのですが、知り合ったのは監督時代なので、8年くらいは仕事をともにしてきました。よく知っている仲だったので、電撃結婚という感じはなかったです」
「彼女が、40歳が目前となったタイミングで、『(妊娠・出産の)タイムリミットも近づいてるけど、どうする?』という話になったんです。そこで、僕としては生まれたら頑張って育てていこうという気持ちになりました」
「しばらくは、作ろうとしてもなかなかできなかったんで、ひょっとしたらどっちか治療が必要なのかなと思ったんです。お互い年齢が若くはないので病院で調べてもらいました。でも何も問題なく、元気でしたよ(笑)」
「つわりは酷かったですね。家にいてばかりだとどうしても気分が落ち込むので、散歩やご飯に連れて行きましたよ。つわりがあったぶん、最初の3カ月ぐらいは体重が増えず、心配でしたね。
「娘にミルクをあげたり、あやしたり、一通りやっています。妻は、心配性なんですよ。子供のちょっとした仕草とか、唇の血色が少し悪いだけで『なんか青ない?』って慌てるんです。それを落ち着かせるのが大変です(笑)。
「今と昔の子育てって、ゲップをさせるやり方から、抱き方まで全部違う。でも、お義母さんはすぐ、昔はこうだったとか言うんですよ。だからいつも喧嘩しています(笑)。仲直りも早いんですけどね」
「あのころはバリバリの現役でしたからね。時間がなかったんです。長男が生まれたときは、僕が大怪我していましたし……。それに、抱っこしてぎっくり腰になったらとか、体のバランスを崩さないようにしなきゃいけないとか、気を遣うことが多かったです」
「50代で子供を持つことに、悩む必要ないですよ。この年で子供を産めば、20代のパパより時間だけはいっぱいありますから。サラリーマンでも、若いころはバリバリ働いて、忙しいでしょ。
“サッカー夫婦” の娘となれば、将来はなでしこジャパン! とはいかないようで……。
「怪我をしやすいから、やらせたくないんです(笑)。五輪に出られて、長く続けられるスポーツをやらせたいですね。海外で活躍してほしいから、英語も勉強させますよ」
ほんなみけんじ
1986年、松下電器産業サッカー部に入団。ガンバ大阪、ヴェルディ川崎(東京ヴェルディ)でゴールキーパーを務めた。現在は、サッカー解説者のほか『ラヴィット!』(TBS系)の月曜レギュラーなどバラエティでも活躍する
写真・アフロ 取材&文/吉澤恵理(医療ジャーナリスト)