大腸ガンによる多臓器不全のため、7月25日に69歳で死去した女優・島田陽子さん。複数のスポーツ紙が7月26日に通夜、27日に告別式がおこなわれたと報じていた。
報道によると、参列したのは「十数人の近親者のみ」で、島田さんの遺体は「金色の刺繍が施された淡いブルーのドレスをまとった」「遺影には米ドラマ『将軍 SHOGUN』などの出演作品の場面写真が並べられていた」という。
本誌は8月5日、「島田さんの遺体はまだ荼毘に付されてもいません」という、島田さんの元マネージャー・福島浩一朗氏の証言を報じている。公私ともにつき合いがあった会社経営者である福島氏は、こう続けた。
「私は長年、島田さんのマネージャーを務めてきました。ここ数年は事情があり、島田さんから離れていましたが、いろいろと彼女の相談にも乗ってきました。私が最後に島田さんに会ったのは去年の暮れ。大腸ガンだったとは知りませんでしたが、喉にポリープができていることや、闘病されていることは知っていました。彼女の死を耳にしたとき、涙が止まりませんでしたよ」
島田さんが都内の病院で亡くなった際、島田さんが代表取締役を務める芸能プロダクションでマネージャーとして働くA氏だけがついていたという。しかし、2019年に離婚し、親族とも疎遠になっていた島田さん。遺体を引き取る親族がいなかった。
病院側が仕方なく、島田さんが生前居住していた渋谷区に連絡すると、親族が名乗り出ず、引き取り手がない遺体として、区が管理する施設に安置されることになったのだ。
亡くなった翌日に通夜、その翌日には告別式がおこなわれたとスポーツ紙に報じられたことについて、福島氏は「さっぱりわかりません」と語っている。
「僕は8月2日に渋谷区役所に出向き、担当者に確認しました。すると、確かに遺体は区に引き取られており『その遺体が“島田陽子さん”であることも確認しています』としたうえで、『ドライアイス代が1日6000円かかっています。遺体を引き取られる方に請求することになります』と言われました」(同前)
その場で福島氏が引き取ることはかなわなかった。島田さんは、埼玉県本庄市の藤棚が有名な名刹に墓を購入しており、福島さんは「そこに眠らせてあげたい」と語っていたが、それも島田さんの妹から委任を受けられなければ、実行できないーー。
葬儀報道を辿っていくと、島田さんが企画していたハリウッド映画のために資金を集めたといわれ、晩年に島田さんの世話をしていたとみられる医療関係会社のB氏に辿りついた。B氏に、葬儀は事実か質問したところ、〈弊社は警察と行政機関と確認して、個人情報を守っています。憶測や風評で故人の尊厳を傷つける行為、報道は謹んで頂ける事を切に願います〉(原文ママ)と回答。葬儀をおこなったかについては答えなかった。
また、島田さんを病院で看取ったとされるA氏にも問い合わせたが「一切のコメントは控える」とのことだった。
島田さんが無縁仏として葬られるという事態は、けっして他人事ではない。前出の住職も「身寄りのないまま埋葬される方は、島田さんと同じく70歳前後の方がいちばん多い」と言う。葬儀会社「小さなお葬式」の広報担当者が、トラブルの回避法を語ってくれた。
「納骨の委任などでのトラブルを避けるためには、喪主や遺骨の預け先を、生前に相談すること。具体的には、生前事務委任契約という仕組みがあります。財産管理や手続き、年金などの処理を生前におこなっておくための書面で、司法書士などに頼めば公正証書にすることもできます。40代~50代のうちに用意されるのがおすすめです」
世界的女優も見舞われている危機。対策は、生前から始まっている。
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