昨今のテレビ業界で隆盛を極めているのが“教養系バラエティ番組”だ。しかし、その教養自体がいい加減なものでは、本末転倒なのだが……。
5月17日に放送された亀梨和也(36)がMCを務める『一撃解明バラエティ ひと目でわかる!!』(日本テレビ系)。番組内の「超一流をひと目で見抜け!」と題したクイズコーナーで、着物に関するマナーを扱ったのだが、その内容に批判が起きている。
まず「結婚式で控えるべきは?」という問題で「A」「B」の2択の着物が紹介された。
番組では、桜の模様が施されたBを正解として発表。そして「着物家」と紹介された女性が理由を語るVTRでは、このように説明されていた。
《ポイントはずばり柄になります。最近ではルールがかなり緩和されていますが、桜は散ってしまうというイメージが先行してしまいますので、もしかしたら避けられたほうがいいかもしれません》
そのほかにも「下がり藤」「椿」などは縁起が悪いので避けたほうがいい柄として挙げられ、Aの着物に用いられていた「オシドリ」は、夫婦円満の象徴として縁起がいい柄と挙げられていた。
しかし、放送を見ていた視聴者を中心に「マナー解説の間違い」を指摘する声がインターネット上にあがったのだ。
《「結婚式で控えるべき着物は?」という設問(2択)で、Aは訪問着・Bは小紋 当然着物の格について言及するべきなのに、着物家を名乗る人は「桜の柄は縁起が悪い」という解説…》
《番組の台本かもだけど、結婚式に不向きな着物は柄です(いや、小紋なんか着てったら笑われるよ?)とか、付け下げと訪問着だから訪問着が高いとか、説明が雑すぎる。》
《着物家さんという謎の肩書きの人やばい。それとも、ここ数年で小紋で結婚式行ってOKになったんか?》
視聴者から指摘されているマナーについて、一般財団法人日本和装協会に話を聞いた。
「結婚式では着物としての格の高い『訪問着』をお召しになるのが一般的です。『小紋』はカジュアルな着物と言う位置づけなので『平服』のドレスコードのとき以外は選びません。
ただ小紋の中でも『江戸小紋』の3役という柄の着物や『色無地』でも紋を入れた着物は、帯を合わせれば略式礼装としてセミフォーマルの席でもお召しになれます。
着物に限らず、着る場の格と着るものを合わせるのが、装いの礼儀とされています。『柄』から選ぶのではなく、まず格を合わせたあとに『柄』を見てその場に相応しいコーディネートをお考えになるとよいでしょう」
番組を見た視聴者からは「制作側の編集によって、誤ったマナーの説明が起きたのではないか?」と指摘する声もある。
日本テレビ系では最近も『世界の果てまでイッテQ!』で、加熱調理が必要とされているホタルイカを“生食”する内容を放送し、視聴者から厳しい声が上がっていた。
制作側の不手際から批判が生じたとしたら、出演者にはとんだとばっちりだろう……。
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