8月13日に大阪で開かれた音楽フェス「MUSIC CIRCUS’23」に参加したアーティスト、DJ SODAが訴えている性被害問題が波紋を呼んでいる。その日、観客の前に出てきた彼女の胸を、ファンが触ったというのだ。
彼女は14日、《私が公演の最後の部分でいつものようにファンの方々に近づいた時、数人が突然私の胸を触ってくるというセクハラを受けました》《公演中にこんなことをされたことは人生で初めてです》などとSNSに投稿していた。一緒に投稿された画像には、観客が彼女の胸に手や腕を押しつけるような様子が写っていた。さらに《今はホテルに戻ってきましたが、未だにとても怖いです》と、公演が終わっても恐怖が消えない様子も同投稿で語っていた。
こうした事態を受け、公演主催者であるトライハードジャパンは、15日に公式サイトを通じ「MUSIC CIRCUS’23におきまして、DJ SODA様がパフォーマンス中に数名の観客から胸を触られる事件が発生しました。このような行為は性暴力、性犯罪であり、断じて許すわけにはいきません」と、立場を明らかにした。さらに「このような卑劣な犯罪行為を行った犯人を特定し、損害賠償請求や刑事告訴など、民事及び刑事の法的措置をとる所存です」と、強調している。また、同文章では、犯罪行為を行った観客に対し、警察への出頭を呼びかけている。
この性犯罪を起こした人物は、どのような罪でどのように罰せられるのか。弁護士の若狭勝氏に聞いた。
「たまたま触れたというより、鷲づかみにしたとすれば、不同意わいせつ罪になるでしょう。この場合、起訴されて有罪になると、6カ月以上10年以下の懲役になります。これまでは『強制わいせつ罪』と言っていましたが、刑法が改正され『不同意わいせつ罪』に名称が変わりました。それにより、罪に問われる範囲が広がったのです。現状、日本では、性犯罪に対してはいっそう厳しく対処しようという流れがありますからね」
しかしながら「逮捕される可能性は五分五分だ」という。
「ファンがフェンスを乗り越えて彼女に触ろうとするなど、積極的に犯罪行為をしようとしたのかが問われるでしょう。逮捕されるかどうかは五分五分で、書類送検され、起訴猶予になる可能性もあります。起訴猶予になった場合は、検察が容疑者に厳重注意をし『今後は二度とやりません。以後気をつけます』という一文を書かせる場合もあります」
「性暴力」は、けっして許されるものではない。
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