8月2日の夜7時過ぎ、大飛球が神宮球場の左中間スタンドに突き刺さった。
この瞬間、プロ野球史上初の5打席連続本塁打を成し遂げた東京ヤクルトスワローズの村上宗隆(22)は、真の「村神様」になったーー。
彼の祖母はこう話す。
「野球好きでしたけど、英才教育とかはまったく。両親に『感謝を忘れないように』と、素直に育てられました。(噂されるメジャー挑戦には)まだ若いですから、ヤクルトに十分恩返しをしないとねぇ」
現在、セ・リーグの本塁打王争いでは、2位に10本差以上をつける独走状態。元号が「令和」に変わった2019年に新人王を獲得すると、2021年は史上最年少での通算100本塁打とともに、リーグMVPに輝いた。
高卒5年めでの通算150本塁打も見えてきた彼は、「令和の本塁打王」と言っても過言ではない。もちろん“海の向こう”も熱視線を送っている。
「バックネット裏には毎試合、5~6人の村上視察のメジャースカウトが来ています。海外FAでの移籍は最速でも2027年オフですが、ヤクルトは2~3年後にもポスティング移籍を容認する可能性があります」(ヤクルト担当記者)
村上自身にもメジャー挑戦への意欲があるとされているが、“本業”以外でも密かに準備を進めているようだ。球界関係者がこう明かした。
「じつは、彼は“個人事務所”を持っています。2021年の開幕前に、彼の父が代表取締役として設立した会社で、今年のシーズン前に村上選手自身も取締役に名を連ねました」
村上の父親は、もともと熊本県内で不動産会社を経営しているが、この“個人事務所”の法人登記の目的欄にはグッズ販売、芸能プロダクション経営、広告業、飲食店経営、不動産売買……と、40近い項目が多岐にわたって記されており、そのなかには「国内外のスポーツ選手のマネジメント」という気になる記載もある。
大物芸能人にもなると、所属事務所以外に莫大な資産を管理するための個人事務所を設立するケースも多い。「しかし、プロ野球選手が個人事務所というのはほとんど聞いたことがありませんね」と、スポーツ紙記者は話す。
「さらにシーズン開幕直後の今年4月に、村上選手は個人名義で熊本県内のマンションを2棟購入したんですよ」(前出・球界関係者)
購入したのは、いずれもファミリー向けのマンション。父の不動産会社が2019年に別の不動産会社から購入したものだったが、今年、村上に売却された。物件には根抵当権が設定され、2棟合わせての極度額は、村上の今季推定年俸2億2000万円を上回る額だ。
現地に行ってみると、物件の管理者として村上の個人事務所の法人名が掲げられていた。マンションのほとんどを占める3LDKタイプの1部屋の家賃は「同条件の相場より少し安め」(近隣の不動産業者)という。2棟とも、入居者で満室になっているようだ。
巷では子供に資産を残すため、マンション購入という“相続対策”をおこなう人も増えているが……。税理士の岩倉永一氏はこう話す。
「相続税対策であれば、親名義の物件を子供に売却するのが一般的。さらに今回は父の法人所有で設定されていた根抵当権が売却時に解除されています。つまり、売却で法人の資産が増える動きをしています。節税対策であれば、法人の資産を減らしたいはずなので、村上選手の物件は純粋な投資案件の可能性が高いです」
かつては「投げる不動産屋」と呼ばれた選手もいた。しかし、最近ではめっきり、そんな選手の噂すら聞かなくなった。村上は「不動産王」としても、令和の球界をリードしていくーー。
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