匿名掲示板「2ちゃんねる」の創設者ひろゆきが、2月1日、新聞報道を引用する形でこんなツイートをした。
《働いてると払う罰金の額が、また上がりますよー。働かない方が勝ち組の価値観が、ますます加速しますね。》
働くと払う「罰金」とはなにか。ひろゆきが引用したのは、「雇用保険法改正案を閣議決定」という記事。改正の目的は、雇用保険料の引き上げだ。
「現在、保険料率は、会社と従業員で合わせて賃金の合計0.9%を負担していますが、これを4月に0.95%、10月に1.35%に引き上げるのです。
雇用保険を払うことで、失業手当や育休給付金がもらえますが、失業手当については、労使折半で計0.2%だったものが、10月から0.6%になります。月収30万円の労働者の場合、負担額は10月以降に600円増えて1500円になる見込みです」(経済ジャーナリスト)
今回の保険料率の引き上げは、直接的な原因として、コロナによる休業手当の給付が激増したことがあげられる。この2年で、雇用調整助成金などの支給額が5兆円を超え、財源不足が問題視されているのだ。
「コロナによる財源不足はやむを得ない話だとしても、国民から不満の声が出るのはそれだけではないのです。
日本では児童手当、高校の学費無償化などに所得制限がつけられることが多く、昨年末話題になった18歳以下への10万円給付も、多くの自治体で所得制限がありました。
働いて年収が高くなると、所得税が跳ね上がるだけでなく、補助もどんどん減らされることから、SNSでは『働くと罰金』などと言われています。ほかに『働き罰』『子育て罰』などの用語も見られます」(同)
冒頭のひろゆきのツイートに対し、SNSでは以下のような賛同が大量に書き込まれた。
《好きでもない事をして働いて、罰金を支払う世の中。働かなくなりますよね》
《お給料は上がらないのに罰金は上がる…ほんと庶民はその日その日を生きてくので精一杯だ》
《働いてさらに子育てまですると凄まじい額の罰金を支払わされます。(中略)所得制限で教育費も奪われるって日本は終わっています》
終わりの見えないコロナパニックで、国民の勤労意欲も奪われていくのか――。
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