吉本新喜劇が、60周年を迎える今年3月1日から新体制が発足する。今までの6座長制から川畑泰史(51)、小籔千豊(45)、すっちー(47)、酒井藍(32)の4座長に加え、次期座長候補として清水けんじ(43)、吉田裕(39)、信濃岳夫(37)、諸見里大介(36)の4人がリーダーに就いた。
新体制となった新喜劇はどう変わっていくのか、小籔座長とすっちー座長に元芸人のインタビューマン山下が話を聞いた。
――新体制になるそうですが、どう変わって行くと思いますか?
すっちー 今の新喜劇より、これからは若手座員をどんどん使うようになると思います。現在、座員が110人ぐらいいるんですよ。さらに毎年10人ぐらい新喜劇に入って来ている状態なんです。
ですから座員が増えすぎて、僕は正直、どんな子なのかわからない子も増えてきてます。
でも、今回、リーダーになった子たちは若手とも距離が近いので、僕ら座長は知らないけど「こいつ、めっちゃダンスがうまいんですよ」みたいに教えてもらえるので、僕らも助かると思います。
――情報共有ができて風通しがよくなりますね。
小籔 そうですね。新しい子が抜擢されやすくなるので、いいことやなと思います。
新リーダーの4人は、会社から座長になれるか査定されてる状況なんですよ。要はリーダーは会社から「お前ら! 他の座長に追いつけ追い越せで頑張らなあかんぞ!」って言われてるわけじゃないですか?
でも、もし僕らがなまけて、「リーダーはめっちゃ頑張ってるけど、他の座長は全然頑張ってへん」ってなったら、一番恥ずかしいですよ(笑)。
最初は会社からリーダーたちが圧をかけられているのを見て大変やなと思ってたんですけど、冷静に考えたら、いや、大変なんは俺らや、とめっちゃ焦り始めました(笑)。
だからリーダー制は、正直、僕にとってはプレッシャーで、僕ら座長も「頑張らな」と思います。
――今度、新喜劇の海外ツアーも予定されているそうですが。
すっちー はい。海外って「こんなことをしたらあかんのか?」ってことがたまにあったりするんですよ。
昔、スリランカに行ったとき、僕が三蔵法師の役で吉田裕が孫悟空の役だったんです。それで、僕が吉田裕の服を脱がして乳首ドリルのネタをやったんです。
そしたら向こうの文化的には「お坊さんが男性を裸にして乳首を棒でつつくなんて、もってのほかや! 二度とやるな!」って、現地の人にめっちゃ怒られたんですよ。
だから現地の文化的な情報は、なんとなく聞いておかないとあかんなと思います(笑)。
――座長同士のライバル意識はあるんですか?
小籔 僕は4座長は新喜劇をよくする、大きくするために、力を合わせて仲良くするべきやと思います。
まぁ、ご飯の食い方が汚いから嫌いやとか、足が臭いとかは、かまわないと思います(笑)。だからと言って、しゃべらない、無視だ、情報も共有しない、といったように、新喜劇のことで力を合わせないということはないと思います。
4人の中で1番になりたいとか、あいつらよりウケたいとか、やりだすとギスギスするんで、僕は風通しのいい内閣を目指してます。
本当に縦割り行政はやめるべきやと思います。すっちー省はイケてる、酒井省もイケてる、小籔省はイケてない……すっちー省はイケてるからすっちー省には協力しないというので、日本が今、傾いてきてる部分があるんです。省庁連携して日本をよくするべく……。
――いや、話がデカくなってますね(笑)。ほぼ日本の政治の話になってますよ。
小籔 でも本当に、新喜劇の中では風通しのいい大臣同士(座長同士)連携がとれるようにしていきたいと思ってます。
※「吉本新喜劇ワールドツアー〜60周年 それがどうした!〜」が開催されます。3月28日、29日の東京・有楽町よみうりホールを皮切りに全国47都道府県をすべて網羅。海外公演も予定。29日にはライブ・ビューイングも。公式スペシャルブックは光文社から3月26日発売
外部リンク