いよいよ、2020年も残すところあとわずか。新型コロナ禍の中、さまざまな変化を強いられた日本だったが、大晦日には変わらず『NHK紅白歌合戦』が放送される。12月23日には、紅組の新たな出場歌手として、ネット上で絶大な支持を集める音楽ユニット「YOASOBI」の初出場が発表された。
これで、2020年の出場者はほぼ出揃ったが、一つ気になることがある。「ソニーミュージック系列」の出場者が多すぎるのだ。初出場が決まったばかりのYOASOBIも、『鬼滅の刃』の主題歌で大ブレイクを果たした「LiSA」もソニー系列の芸能事務所に所属するアーティストだ。
ソニーミュージックと秋元康氏の合同プロデュースで始まった「乃木坂46」など、ソニー系列の事務所所属が今回は7組。また事務所は違えど、ソニーミュージックによる『Nizi Project』から誕生した「NiziU」も含めると、“ソニー系” の出場者は計8組もいるのだ。
そして、なにより紅組司会の女優・二階堂ふみ(26)も、「ソニーミュージックアーティスツ」所属だ。ある芸能関係者が語る。
「以前から『紅白』には、『1社から最大5組まで』という不文律があります。人気でいえば断トツのジャニーズ事務所ですら、基本的には5組まで。2020年は、なんとか増やして7組になりましたが、これは年末で活動休止する『嵐』の出場が絡んだ “特別措置” でしょう」
となると今回、ソニー系列からの “8組+1人” 出場は、その不文律を破っているのではないのか……。
「おそらく、『純粋な』ソニー枠は4組しかいないとNHK側は判断したのでしょう。
出場者の中でも『ソニーミュージックエンターテインメント』や、その傘下の事務所『ソニーミュージックアーティスツ』に所属しているのは、JUJU、milet、LiSA、YOASOBIの4組だけです。だから、この4組に司会を担当する二階堂さんを足しても5組なので、『5組まで』の不文律に引っかかりません。
乃木坂46や日向坂46、櫻坂46はソニーミュージックエンターテインメントのビル内に事務所がありますが、あくまで別会社ですし、NiziUもプロデューサーのJ.Y.パーク氏の事務所に所属しています。『実質はソニーだが、事務所としてはまったく別』という判断だと思います」(前出・芸能関係者)
ただ、こうした「紅白出場者がソニー系列ばかり」という現象は、「純粋な企業努力の結果ではないか」というのは、芸能ジャーナリストの佐々木博之氏だ。
「そもそも近年、ソニー所属のアーティストの活躍は際立ってますからね。こうしたヒットしたアーティストたちに憧れて、同じソニー系列に入りたいという次世代のアーティストは多いんです。そうした、次なる才能を伸ばす力も持っている会社なんですよ。
さらに、2020年の『紅白』の出場者選出には、コロナの影響があらわれていると思います。『ステイホーム』が呼びかけられるため、必然的に増える若者の視聴者を意識した作りになりました。
動画配信などを積極的におこない、NHKが意識するこのターゲット層の需要にぴったり合致しているのが、ソニーのアーティストたちなんです。今回の選出は、さまざまな意味でバランスが取れたものなのではないでしょうか」
今回、初めて無観客でおこなわれる『紅白』だが、不文律も臨機応変に変更されたということだ。
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