「『両親が亡くなり、空き家になってしまった “実家” を、どうにかしてほしい』という40代~60代の方からの依頼が、どんどん増えています」
「好立地の不動産を相続したなら、売ることもできるし、自分が住むこともできます。でも、田舎や郊外の立地で、築年数もたっているような物件は難しい。
「2015年2月に、『空家対策特別措置法』が一部施行されました。空き家の適正管理をする責任は所有者にあり、行政から、倒壊や火災発生の危険がある『特定空家』に指定されると、所有者に対し適正管理の助言→指導→勧告→命令がなされます。
「立地によりますが、リフォームを選択肢に入れてください。解体には、そもそもお金がかかりますし、建築基準法で再建築が不可能な場所もあるので、壊す前にきちんと確認する必要があります。
「一般的に見れば、ここはけっして利便性の高い場所ではありません。でもじつは、サーファーに人気の海岸まで、車で10分もかからないんです。別荘としてなら需要があると思い、天井を抜いておしゃれで広々とした空間にし、水回りも最新のものにしました」

八街市の一戸建てのキッチン。荷物とゴミで完全に塞がれていた窓が復活し、明るい日差しが部屋に差し込む
「ほかの業者からは、『お金をもらっても、いらない』と言われる状態でしたが、再生できると判断して買い取りました。たしかにゴミの処理は大変でしたが、家の基礎や壁・柱はしっかりしています。
「まずは複数の不動産業者に相談し、インフラや周辺の環境を加味した、不動産の価値を見てもらうことですね。
「資産価値の低い田舎や郊外に実家がある場合、相続する子供のために、実家をリフォームしたり解体する費用ぶんのお金を遺してもらう方法をとるべきです。資金があれば、再活用にも積極的になれます」
(週刊FLASH 2020年9月1日号)