不倫で左遷されたNHK元アナが「ミステリ大賞」受賞…覆面小説に綴った恨み節の数々
〈悪夢のような現実を味わってからは、むしろ眠っている間に見る悪夢のほうがマシだとさえ思えるようになった〉
「じつは、新人作家の小里氏の正体は、2016年に不倫を『FRIDAY』に報じられたNHK元アナウンサーのAさんなんです」(出版関係者)
「A氏が勤務する部署は、よほどの事情がない限り、定年退職前の局員くらいしか異動しません」(NHK関係者)
「確かに作中にも〈新天地で心機一転、頑張ります〉〈地味な職場でもコツコツ頑張っていればきっと誰かが見てくれている〉など、異動後に気合を入れる場面や、〈今さら悔いても始まらない無益な想像ばかりが胸を苦しくさせる〉と、当時の後悔や憤りを自己投影しているような表現が多く見受けられます」(前出・出版関係者)
“恨み節” を綴った作品では、主人公が異動先で精力的に仕事に励むが、現実世界のA氏も真摯に仕事に取り組んでいるのだろうか。
「A氏が作家デビューしたことは局内ではほとんど知られていません。ただ彼は、数年前から大手出版社のエンタメ系文芸誌の新人賞に応募して、入賞まではいかなかったものの、そこそこの評価を得て担当編集がついたこともあったそうです。著書出版後は在宅勤務が多くなりましたが、真面目に勤務しているようです」(NHK局員)
―─作家デビューされたそうですが。
「上司から『答えないように』と言われています。申し訳ありません」
「ミステリ大賞」を受賞したA氏のデビュー作。最後に、気になるその実力を現役ミステリ評論家に評価してもらった。
「個人的な気持ちとしては、褒めようという感じはあまりしません。ミステリの根幹であるトリックは褒められたものではなく、小説のテーマも古めかしい。ただ “左遷させられた若手社員” の心情のリアルさは感じられましたよ」