爆音とともに上空をヘリが3台ほど旋回している。編集部に出勤中、異変に気づいた記者は東池袋の交差点へと向かった。警察による規制線と、道路に残った血痕、血のついたタオルが目に入る。スマホで写真を撮るも、記者と気づかなかった警官に「撮らないでください!」と制止される。
4月19日12時すぎ、豊島区東池袋の交差点で87歳の男性が運転する乗用車が歩行者を次々とはね、ゴミ収集車に衝突する事故が発生した。この事故で8人がケガをし、3歳の女の子と母親とみられる30代女性が亡くなった。
事故現場は大きく2つ。乗用車はまず池袋方面から東池袋にかけての道路で男性をはねた。乗用車はここで止まらずそのまま100メートル先の交差点に侵入し、さらに歩行者をはねてごみ収集車と衝突して停止。乗用車は赤信号を無視して突っ込んだとみられている。
交差点に到着すると、テレビ局のカメラが立ち並び、ひっくり返ったごみ収集車や、事故を引き起こした乗用車を撮影していた。手持ちカメラを持った記者たちも、目撃者に熱心にインタビューして周っている。
事故直後の様子をスマホで撮影した男性の周りには人だかり。我先に各社ライン交換して、映像を送ってもらっていた。
記者も事故直後の様子を聞くことに。交差点にある施設の男性職員は、「自転車がバラバラになっていて、子供は投げ飛ばされずその自転車に乗ったまま。私にも小さな子供がいるのでとても直視できませんでした」と語る。
近くの飲食店で食事中だった男性は、「ものすごい音がして外に出た。目の前で人が倒れていて、そのまま交差点に向かうともっとひどい状況だった」と言う。
交差点では「女性がうつ伏せになってぐったりしていた。警察が倒れている男性の顔を触ったが、意識がなくてそのままだらんとしていた」と振り返る。
小学校1年生の娘を後ろに乗せ自転車で通りががった40代の母親は「現場の目の前のマンションにお友達が住んでいて、心配になって連絡すると『下がすごい状況になっている』と。お昼の1時ころは1年生が集団下校する時間で『もし巻き込まれていたら』と、とても怖いと思った」と語っていた。
近年、高齢者による事故が相次いでいる。2017年4月21日には、埼玉県入間市で76歳の女性が運転する車が6人を死傷させる事故が発生。2018年5月28日にも、神奈川県茅ヶ崎市にて90歳の女性が運転する車が歩行者4人をはね、女性1人が亡くなった。
高齢者の免許返納問題が、再び議論になるかもしれない。
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