写真:6月13日、事故現場に実況見分に現れた飯塚容疑者
2019年の春、冒頭の写真の御仁、元工業技術院長の飯塚幸三容疑者(88)の暴走事故から浸透した「上級国民」という言葉。「さまざまな特権を享受できる」(とされる)この方でも、簡単にもみ消すことができない「致命傷」は深い−−。
「実況見分調書が、もうじき出来上がる。8月上旬までには初公判を迎え、8月中に判決が出るだろう」とは警視庁関係者。母子2人が死亡、10人が負傷する前代未聞の暴走事故を起こした飯塚容疑者(88)は、どう過ごしているのか。
実況見分当日の早朝5時前から飯塚容疑者宅前に停まっていたワンボックス
6月下旬、飯塚容疑者の自宅マンションに、目白警察署の捜査員と思われる男性3人が入っていった。続けてやってきたのは、シルバーのワンボックスカー。こちらにも2人の捜査員が乗っている。「まさか、ついに逮捕」かと声をかけると、捜査員は、「そんなんじゃないよ」とだけ答えた。
だが、「数日前までは見かけなかったねえ」(近隣住民)というワンボックスは、翌日も翌々日も、マンション前に待機している。なぜ、捜査員を乗せた車が連日、張りついているのか。
警視庁に取材を申し込んだが、「個別の案件については回答を控えます」との対応だった。元警察官僚の澤井康生弁護士が言う。
「原則として、警察が加害者の警護をすることは、まずありません。ただ、飯塚容疑者は、日本中からバッシングされています。もしかすると、脅迫状が届き、家族が警察に相談して、地元署が様子を見ていた可能性はあります」
異例の “上級” 警護かもしれない、というわけである。
7月上旬の午前9時過ぎ、容疑者宅のインターホンを押すと、「どちらさまですか」と応対したのは年配女性。「飯塚幸三さんはいらっしゃいますか」と本誌記者が問うと、無言で切られてしまった。
前出の澤井氏は「一度、逮捕しない方針を決めた以上、今後も逮捕はないでしょう」と続ける。
「このまま在宅起訴され、公判を迎えます。ただ、事故では2人が亡くなり、負傷者も多い。懲役3年ほどの厳しい実刑判決が下ると思います」
「上級国民」から “塀の中の人” になる日も近い。
(週刊FLASH 2019年7月23・30日号)