1月15日、山形県・アリオンテック蔵王シャンツェで開催された、ノルディックスキージャンプW杯女子個人戦に出場した髙梨沙羅が、2本めの飛躍後にスーツ規定違反で失格となった。1本めは95mで11位、2本目も95mだったが、結果は30位に終わってしまった。
日本女子チームの横川朝治ヘッドコーチは、「(スーツの)ウエストが2cmぐらい大きかった」と説明。「あってはいけないこと。うちのチームはもっと勉強して、いろんなスポーツを開発していかないと。テクニック的には勝っていても、スーツで負けたりする。いろんなところを見直さないといけない」と語った。
髙梨選手の失格は、これが初めてではない。
「2022年2月の北京五輪混合団体戦でも、太もものまわりのサイズが2cm、オーバーしていたとして、スーツの規定違反による失格を受けていました。同大会では、髙梨選手含め5人の選手が同じ理由で失格となり、世界中で物議を醸す事態に。検査に介入した男性検査官が殺害予告を受けるなど、大きな騒動となっていたんです。
髙梨選手は、2021年2月のW杯と、2022年10月のサマーグランプリでも、スーツの規定違反で失格となっています。サマーグランプリの翌月のW杯では、小林陵侑選手も同じ理由で失格。他国の選手たちも、スーツの規定に振り回され、失格者が続出しているといいます」(スポーツジャーナリスト)
そうした経緯もあってか、今季は国際スキー連盟(FIS)が測定方法を変更。これまで、立った状態でスーツを測定していたが、仰向けの状態で測るようになった。加えて、股下の長さはレーザー機器で測定し、より正確なジャッジができるよう変更された。
しかし、そんななかで、今回も起きた髙梨選手の失格騒動。SNSでは、検査方法や基準そのものを疑問視する声が続出している。
《またか。これ、もう選手の責任ちゃうやん。飛んでから測るんじゃなくて飛ぶ前に計れよ。もうええ加減に選手が競技に集中できるようにせえよ。》
《いつ迄こんな理不尽が続くのか?検査基準や方法を簡易化して全員事前検査が出来ると思うが—??》
《これだけ失格者があるなら、もはや選手は何と闘ってるのか分からん…これではジャンプ競技としてダメになる。ルール改正や測定基準の改正は絶対に必要。》
競技終了後、無言を貫いている髙梨。その胸中はいかばかりか。
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