「みんなびっくりでしたよ。桝くんが辞めるそぶりや噂もなかったし、会社への不満があったということも特に聞いていません。彼は人当たりがよくて、本当に気持ちがいいヤツ。仕事に向き合う姿勢は、年上の私も見習うべきところが多かったです」(同僚社員)
「東京大学時代にアナゴを、東大大学院ではアサリの研究をしていた桝さんですが、2006年に日テレに入社してからは、多くの人気番組を担当。2016年には『好きな男性アナウンサーランキング』で5年連続1位を獲得し、殿堂入りを果たしました」(日本テレビ関係者)
「桝さんと会社は、1年以上前から退社後について協議していました。社としては、フリーランスになっても『ザ!鉄腕!DASH!!』など、ほかの番組への出演も続けてもらいたく、すべての担当番組への出演を継続することを条件に1本100万円という破格のギャラを提示したようです。
「桝さんは出演者の魅力を引き出す能力に長けているし、制作スタッフや後輩アナからの人望も厚いんです。会社は、報道の後進を育てる側に立ってもらおうと、アナウンス部長の役職を用意することも考えていたようです。結局、話し合いはまとまらず、桝さんに人事案を提示するまでには至らなかったようですが」(同前)
「本気で大学で研究をする気はありますか?」
「この会話があったのは一年ほど前です。大学院生にならないかと言われたと勘違いしたのか、桝さんは『授業料が要りますね』って(笑)。しかしすぐに具体的に転職を考え始められたようです」(同前)
「桝さんは、アナウンサーによる “トークショー” ではなく、データや論拠によった立派な講義をされるんです。研究し、それを発信する力があり、人材を育成していくこともできる方だと思いました」(同前)
「桝さんは、朝の番組『ZIP!』出演のため、深夜に起きるような生活で、平日夜の講義のために京都に来ることが不可能だったのです。
「報道機関であるテレビ局の社員である桝さんには、個人の意見の発信にも制限があるんです。ですから、講演会でも桝さんはあくまで『司会者』という位置づけでしゃべっていました。講義では、NHKと民放の予算の差などを、チクリと言うこともありましたが(笑)。もっと自由に研究して、発信したいという思いがあったのだと思います」(同前)
「桝さんは今後、東京と京都を行ったり来たりの生活になると思います。そんな話をしていると、『やっぱり新幹線の交通費がかかりますね』と心配していました。でも、『“理系版の池上彰さん” を目指す』と大きく出たくらいですから(笑)、心配ないでしょう。