「近所の中華屋でアルバイトをしてさ、最初の店はまだ中坊だったから皿洗い。次は10代終わりくらいで、出前持ちをやった。やっぱ、まかないで広東麺にハマったのかな。
「広東麺はさ、餡のとろみがスープに溶け合っていき、徐々に“味変”が楽しめるじゃない。あの感じが最高なのよ。ロケ弁にも中華丼くらいあるが、あれはたいていダメだよな(笑)。
「量をいっぱい作らないと旨くならないんだよ。豚バラブロックを丸々3日煮込むところから始め、それを取り出して切って、また鍋に入れる。玉ねぎも人参も溶けてなくなってるね。ルーも4~5種類混ぜて使う。
『カレーを作るぞ』ってインスタに上げるじゃない。そうすると、みんながタッパー持ってもらいに来るもん。俺は味見しているうち、1食は食った勘定になるし、そのころには飽きてるけどな(笑)」
取材・文/鈴木隆祐