「ネットに投稿されてしまった画像を、完全に消すことは不可能です。自己責任の部分があるにせよ、このことで人生が変わってしまったのは間違いありません」
と、唇を噛むのは人気セクシー女優のAさん。出演した作品のほぼすべてが、ダウンロードも含めた販売数で大手AV販売サイトの総合10位以内に入る、トップクラスの女優である。
そのAさんが今回、本誌に「人生が変わってしまった」と告発するのは、本人が無許可のまま、無修正動画を違法配信サイトに投稿されてしまったことだ。被害のきっかけは、Aさんがある男性と出会い系サイトで出会ったことだった。
「話が合ったので、そのまま個人のSNSに移り、身のまわりのことなど、ささいなおしゃべりをしていました」
意気投合した2人は、自宅近くの繁華街で出会うことに。
「彼とは初めて会った日にラブホテルに行き、関係を持ちました。その際、彼は『行為の最中に動画を撮影するのが趣味なんだ』と言ってきたのです。彼はとにかくしゃべり倒して、こちらを圧倒するタイプでした。
もちろん、撮影されることに抵抗はあったのですが、向こうのしゃべりに押されて強く拒否することもできず、そのまま撮影させてしまいました。彼とのことは深く考えもせず、そのまま、セフレみたいな関係になっていきました」
ところがある日、AさんのSNSに『無修正の動画配信サイトに、Aさんの性行為動画が掲載されている』というメッセージが、見知らぬ人から送られてきたのだ。
確認してみると、動画にはたしかにあられもない姿を見せているAさんの姿があった。相手は、間違いなくその男性だった。
慌てて男性を追及すると、その返答は驚くべきものだった。
「『あの動画は他人に売ってしまった』というんです。売った相手が勝手に動画を配信しているから、自分では手の打ちようがないと。
もともと、会うのはラブホテルで、自宅も知らないし、言い分が事実なのかの確認のしようもありませんでした。至急、友人に弁護士を紹介してもらうなどして、削除することを最優先にしました。その間、私の動画3本がそのサイトで視聴回数の上位3位を独占していました。本当に恐ろしかったです」
その後、男性とは連絡が取れなくなってしまった。動画配信をめぐるトラブルで刑事事件になったという情報もあるが、それがその男性なのかは分からないという。
その後も、動画は削除しても削除しても、次々と類似の無修正動画配信サイトにアップロードされてしまうという、いたちごっこが続いた。
「動画サイトの運営者が海外にいるということもあり、弁護士さんの力なしに、個人で消すことはできませんでした。ただ、それも無料というわけにはいきません」
資金的に苦しくなったAさんは、一転、セクシー女優としてデビューすることを決意した。
「お金も必要だったし、もうそれしかお仕事がないという状態だったんです。だって、ネット上には私が性行為をする動画が無修正で出回っているわけですからね。だったらもうこれを仕事にするしかないと考えました。きちんとしたプロダクションに所属できたので、仕事には納得しています。ただ、結局動画は完全には削除できていません。
いわゆる“AV新法”で、正規のAVについては厳しい制約を課すようになっていますが、私が訴えたいのは、危険な“裏AV”があるということです。『同人AV』ともいわれていますが、あの男性もそれを生業にしていました。彼らは法的な責任などいっさい取るつもりもないし、人を騙して配信しているんです。この問題にも徹底的に対処してほしいです」
Aさんは、あえて“人前に出る”ことを選んだ。だが、泣き寝入りして、今も怯え続ける被害者も多い。
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