7月16日、藤井聡太七段が渡辺明三冠を破り、3勝1敗で「棋聖」のタイトルを手にした。藤井七段は現在「17歳11カ月」で、1990年に屋敷伸之九段が打ち立てた最年少記録「18歳6カ月」を30年ぶりに更新したことになる。
気になるのはタイトル獲得による収入増だ。
将棋連盟が公表している「獲得賞金・対局料ベスト10」によれば、2019年の1位は豊島将之 竜王・名人で、7157万円。以下、
2位 広瀬章人 八段 6984万円
3位 渡辺明 棋王・王将・棋聖 6514万円
4位 永瀬拓矢 叡王・王座 4678万円
5位 羽生善治 九段 3999万円
となっており、藤井七段は2108万円(2018年は2031万円)だ。
羽生善治九段が、賞金・対局料合計で初めて1億円を突破したのは、1993年のこと。藤井七段も1億円を突破できるだろうか? それを知るために、まずは棋士の収入構造を明らかにしたい。
「棋士たちは実力によってA、B1、B2、C1、C2の5つのクラスに所属しています。そこで毎月『順位戦』がおこなわれ、その対局料が『基本手当』として日本将棋連盟から支払われます。当然、クラスが上の方が金額は高いわけです。賞金、対局料に加え、イベントやCM出演料の合計が年収となります」(将棋関係者)
本誌が調べたところ、名人の基本月給はおよそ100万円、A級70万円、B級50万円、C1級35万円、C2級20万円程度だ。
タイトル戦などの優勝賞金は原則として公開されておらず、わかっているのは竜王戦4400万円と朝日杯将棋オープン戦750万円のみ。
今回、藤井七段がタイトルを獲得した棋聖戦は金額非公開だが、同じ産経新聞社が主催している囲碁の十段戦と一緒だとしたら、優勝賞金は700万円前後と推測できる。
藤井七段の小学校の卒業アルバムには、「もしも5億円あったら」という質問がある。藤井七段はこう書いている。
《積み上げて天井にとどくか実験する》
現在、藤井七段は王位戦七番勝負を継続中だ。年収1億円を目指すためにも、まずは「王位」タイトルの獲得が目標となる。
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