「高校の同窓会では、『刑事コロンボ』の格好で給料袋を取り出して会費を払うなど、中村さんは、周囲を喜ばせようとするお茶目な一面もありました」
「アフガニスタンでは、毎日何百人と亡くなるので、それを防ぐために、『いかにきれいな水を供給できるか、を考えて行動していた』という話をされていました。
『こういった建設事業は、医師の仕事ではないかもしれないけど、これは平和運動ではなく医療の延長だと思ってやってきた』と。
「じつは今回の襲撃を、以前から中村さんは予感されていました。しかし中村さんは、いまの事業に命を懸けていて、『途中で投げ出したくない、自分は絶対に逃げないんだ』と、あえてふだんどおりの生活を送ったそうです。
「クラシック音楽鑑賞や読書、自宅の庭の手入れを趣味とする穏やかな人でした。ただ、憲法9条に関しては、並々ならぬ思いを持っていて、こう熱く語っていたのを思い出します。
『憲法9条があるから、日本は守られているんだ。戦争は何も生まない。憲法改正しようとしている安倍さんは好きになれない。軍事力を強化するよりも、水を必要としている人たちのために、用水路をもっと作るべき。銃よりも用水路だよ』」
(週刊FLASH 2019年12月31日号)