2018年9月、平壌で開催された南北首脳会談(写真・代表撮影/ロイター/アフロ)
「帽子の紐戦術」
「『帽子』とは、李朝時代に成人男子がかぶり、2本の紐を顎で結んで留めるもののこと。金日成は1972年に、『南朝鮮政権は、アメリカと日本という2つの紐によって維持されている。どちらかひとつでも切ってしまえば崩壊する』と強調した。
「悪い意味で、『歴史に残る決定』といえるでしょう。韓国国内の世論を抑えられず、政権内部でもイデオロギー色の強い一派が押しきった。
「ある政府高官によれば、『何もしない。頭を下げてくるのを待つ』のが基本方針のよう。
「反文在寅デモが頻発し、陸海空の退役軍人が多数参加しています。9月15日には、朝鮮戦争の仁川上陸作戦の記念式典がおこなわれ、9月28日は、ソウル奪還記念日。そこにも多くの退役軍人が参加する。最悪、クーデターが起きる可能性さえある」(高氏)
「文大統領が思い描くのは、北朝鮮主導の『赤化統一』。しかし、韓国が北朝鮮にのみ込まれるとなれば、軍部は黙っていないでしょう。
「駐韓米軍引き揚げは、十分あり得るシナリオ。ベトナム戦争で米国は、南ベトナムのサイゴン政権を見捨てたが、その二の舞になりかねない。仮にソウルが陥落すれば、当然難民が生まれることとなる。
(週刊FLASH 2019年9月10日号)