世界中で大ヒットを記録した映画『ハリー・ポッター』シリーズ。実はその中には魔法界だからこそ納得できるような、興味深いスラングがいくつか登場している。ハリポタファン必見、魔法界のユニークなスラングをここにご紹介!
「Merlin’s beard/Merlin’s pants」(読み方:マーリンズ・ビアード)
シリーズ第6作「謎のプリンス」のなかで、スラグホーン(ジム・ブロードベン)がたびたび発するセリフが「Merlin’s beard (Merlin’s pants)」。このMerlin(マーリン)というのはアーサー王伝説に登場する白くて長いあごひげを蓄えた有名な魔法使いのこと。魔法使いの世界では昔から尊敬されている偉大な存在で、魔法使いたちは驚いたときにしばしば彼の名前を叫んでいるのだ。「Merlin’s beard」以外にも「Merlin’s “baggy y-fronts”」「Merlin’s pants」もしくは単純に「Merlin」などのレパートリーがあるが、魔法界ではどの言葉も「なんてこと」、「しまった」のような意味で、驚いた時や危ないときなどに使われているよう。
「Gallopin’ gorgons」(読み方:ギャロッピン・ゴルゴーン)
第1作目の「賢者の石」でホグワーツの番人ハグリッド(ロビー・コルトレーン)が「Gallopin’ Gorgons, that reminds me(おっといけねぇ、忘れるところだった)」と話す場面があるが、この「Gallopin’ gorgons」は主にハグリッドが驚いたときなどに使っているよう。Gallopは「(馬が)駆ける」の意味で、gorgonは下半身が馬の姿のギリシア神話に登場する怪物のこと。訳してしまえば全く意味がわからない言葉になるが、「oh my god」や「good golly」「oh shoot」などと同じように使うことができるようだ。
「Great sizzling dragon bogies」(読み方:グレート・シズリング・ドラゴン・ボギー)
第2作目「秘密の部屋」には、管理人のフィルチ(デヴィッド・ブラッドリー)が怒りながらある用紙を探すシーンがある。そこでフィルチは「'great sizzling dragon bogies . . . frog brains . . . rat intestines . . . I've had enough of it . . . make an example . . . where's the form . . . yes . . .」と、「frog brains(カエルの脳)」や「rat intestines(ネズミの腸)」など意味のわからない言葉を並べた呪文らしき言葉を放つのだった。
管理人フィルチは魔法使いの家系に生まれながら、彼自身は魔力を持つことができなかった言わば異端児。このような生い立ちも影響し、ホグワーツでは規則を破った生徒たちに罰を与えることを生きがいとしているが、これはそんな彼が生み出した“らしさ”を感じさせる言葉と言える。この言葉には特に定義がなく、心情があふれ出てしまうときに活用できるようだ。たとえば、「Great sizzling dragon bogies! 昨日の『ゲーム・オブ・スローンズ』の戦いのシーンは激しかった」と言うのもグッドサンプル。