男の子は力が強くて暴れん坊。女の子より成長が遅い。ジッとしていられず手が掛かる…。男の子を育てるには“覚悟”が必要と思い込んでいませんか。でも男の子って、そんなに難しくないんです。ほんのちょっとの違いがあるだけ。
例えば男の子と女の子では、身長・体重といった体格、コミュニケーション能力や社会性、生活スキルなど、何かと「女の子の方が早い」「優れている」と思われがちです。ですが本当のところはどうなのでしょうか。
そんな疑問を解決してくれる育児本が登場しました。『はじめてママ&パパの 0~6才 男の子の育て方』(渡辺とよ子:監修/主婦の友社)です。この本は、豊富な図と写真でわかりやすく解説されている「実用No.1シリーズ」。医師や学者による最新の研究データをもとにまとめられています。
男の子に特化した育児本というと、保育者や教育者の体験をもとに執筆されたものが多いなか、画期的な書籍の登場です。ママ友のウワサや親戚の思い込み、ブログ等のソースのない情報に惑わされないで、男の子と向き合うことができるでしょう。
■男の子は女の子より成長が遅い?
では、男の子と女の子、何が違うのでしょう。女の子はお話し上手で、男の子は活発と思われがちです。ですが、運動能力・言語の発達に男女の違いがある、という統計は出ていません。
すぐに動き回って目が離せない、聞き分けが悪い、などと男の子は思われています。でも、動き回る女の子にハラハラ、追いかけるのにクタクタ。そんな親も多いのではないでしょうか。
一方、服を着る、手助けなしに食事をするといった、「生活スキル」の獲得には少しの違いが出てきます。身支度ができる、トイレトレーニングの開始、泣かずに頭を洗う、などの行為の開始時期は、女の子のほうが男の子より早いのが全体の傾向です。
ただし、スキルや習慣が身に付くかどうかは、親の関わり方や環境の影響も大きいのです。「うまくできたときほめる」「先回りしすぎない」「できないことを叱らない」といった、親の対応次第でスキルは上達します。
■正しいおちんちんのケアの仕方
そしてママにとってもパパにとっても悩ましいのがおちんちんの扱い方。むやみに、いじらない方がいい。おちんちんの皮をむいておかないと、真性包茎になる…。
表立って聞くのがはばかられる部位のために、モヤモヤしているママも多いのではないでしょうか。パパの子どものころは「触らない方がいい」と考えられていました。だからパパに聞いても「放っておけばいいんだよ」なんて素っ気ない返事が多いことでしょう。
しかし、この本では断言しています。「おちんちんはケアした方がいい」と。
新生児のうちから、おちんちんのケアをした方がいい理由は、主に衛生面にあります。排泄器官であるおちんちんは、汚れが溜まりやすく、バイ菌が繁殖しやすいのです。
生まれたての赤ちゃんのおちんちんは、亀頭と呼ばれる先端部分と、亀頭を包む包皮が癒着しています。この癒着は少しずつ「むく」「戻す」を繰り返すことではがれていきます。
赤ちゃんの中には、包皮をずらそうとしても亀頭部がまったく見えない「真性包茎」の子もいます。でも、包皮をずらすことをくり返し、少しずつ癒着をはがせば、必ず「仮性包茎」にできるそうです。泌尿器科の医師は、「仮性包茎の状態なら、衛生的にも機能的にも全く問題はありません」と断言しています。
同書はおちんちんのケアについて、豊富な図解と写真でわかりやすく解説。またおちんちんにまつわる疑問、「うちの子は小さい?」などの悩みが吹き飛ぶ解説も掲載されています。
■イヤイヤ期の乗り切り方
男の子の親が苦労するのが1才半から2才まで続く、イヤイヤ期。男の子はヒーローごっこや戦隊ものなどが大好き。だから力強く乱暴に振る舞っているように見えます。この「男性らしい行動」は、胎児期から分泌される「男性ホルモン」と関連しているようです。
でもイヤイヤ期は、自我を育む大切な時間。「ジブンで!」というこだわりが現れ、何度も挑戦しやり遂げられたなら「達成感」が得られるのです。
ただし言語能力が低いため大人の「○○だからダメよ」は理解できません。赤ちゃんのころと同様に「泣く」ことでしか応戦できないのです。
そこで本書では、どんな「イヤイヤ」が発生するのか、時系列に沿って紹介しています。また多くの親がイヤイヤ期をどう乗り越えたのか口コミも多数紹介しています。
■男の子の身長は方程式でわかる?
健康であればそれだけでいい。そう思っていても男の子ならではの気がかりとして、将来の「身長」が挙げられます。身長を決める要素は、「遺伝と環境」です。栄養・運動・睡眠といった、骨が伸びる「成長ホルモン」の分泌を促す環境づくりには気を配りましょう。
子どもの身長は、環境の影響もあるのですが…、遺伝によってある程度予測ができます。本書では、遺伝から予測する将来の身長の「方程式」が掲載されているんです! お子さんの最終身長が気になりませんか?
もちろんこの方程式に全員が当てはまるというわけではありません。でも、「予想」として未来を想像するのも楽しいですよね。
また同書では、運動神経の伸ばし方、小学校高学年こごろから始まる思春期前の反抗期への対処の仕方まで、幅広い情報が掲載されています。
イヤイヤと大泣きするくせに、甘えるときはとことん「ママ大好き!」の愛しき男の子の成長をじっくりと楽しめる一冊になっています。
文=武藤徉子
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