三重県四日市市には、全国的にも珍しい橋があります。“ある時”がくると姿を変える橋なのですが、中には、国の重要文化財に指定されているという橋も―。
やってきたのは四日市港にある「臨港橋」。地元の中でも、知る人ぞ知るという橋だそうですが、なぜか、橋のたもとに遮断機があります。
警報器が鳴り、遮断機が下りると…橋が動き出し、約70度の角度まであがりました。
この橋は、「跳ねあげ式」と呼ばれ、船が通る時だけあがるそうです。遮断機があったのは、橋があがる際に車を止めるためだということです。
船がいつ通るかは、全く分からないのが現状だそうで―
「こちらの橋に来る前に連絡をいただく船もありますし、突然来て橋の前で「上げてください」と指示する方もいます」(臨港橋管理棟 谷崎正次さん)
この日も点検のために橋をあげたところを、特別に撮影させていただきました。
さらに、この橋の北に列車が通る末広橋梁があります。こちらの橋も全国的に大変珍しい橋だというのです。
「現役の鉄道可動橋としては国内で唯一です。国の重要文化財に指定されています」(JR貨物四日市駅 桑島紘平 駅長)
1931年に架けられた末広橋梁は、四日市駅と臨海地域を結ぶための橋で、現役で動いている唯一の「跳ねあげ式」の橋です。
「中部国際空港の建設の時にたくさん貨物列車が通りましたので、その時は橋を下ろした状態で貨物列車が運行しておりました」(JR貨物四日市駅 桑島紘平 駅長)
特別に許可を頂いて、機関車の運転席に乗り、橋を渡ってみました。
今ではセメントなどを載せた貨物列車が一日5往復程度通るだけ。日中、橋は上がったままの状態だそうです。
昭和、平成、令和と海運の一翼を担ってきた四日市港の橋。
新型コロナの影響で、GoToトラベルが叫ばれる中、身近なところでいつもと違った光景を探してみるのも面白いかもしれませんね。
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