いま、若い女性の間で広がっている“生理の貧困”。民間の調査では『若者の5人に1人が過去1年以内に経済的な理由で生理用品を買うのに苦労したことがある』と答えたという結果もあり、名古屋市は期間限定で生理用品などの無償配布を開始しました。全国的に支援が広がる一方で、継続的な支援を求める声もあがっています。
4月20日、名古屋市は市内在住の女子学生を対象に、生理用品と食料の配布を始めました。
無料配布されるのは540セット。4月20日から27日までで、なくなり次第終了となっています。
申し込みやすいように受付は市のホームページからでき、郵送で配達される仕組みになっています。
「コロナの影響で経済的にお困りの女子学生の方に生理用品を配布させていただく」(名古屋市男女平等参画推進室 鶴田恵子 室長)
22日(18時時点)のまでの3日間で、314人からの申し込みがあったといいます。
こうした支援の背景にあるのは、いま若い女性に広がる“生理の貧困”。
民間団体の調査によると『若者の5人に1人が過去1年以内に経済的な理由で生理用品を買うのに苦労したことがある』と答えたとのことです。
関東を中心に食事や生活用品などを無料で提供し、困窮する10代女性への支援活動を行う一般社団法人「Colabo」の代表の仁藤さんによると、コロナ禍で困窮している若者が増えているといいます。
「コロナの影響で、特に若年の女性たち、生理用品が買えないほどに困窮している若者は増えている。ティッシュペーパーなどを丸めて生理用品代わりにしていたり、おばあちゃんの介護用おむつを代わりにつかっていたケースも」(仁藤夢乃 代表)
女性にとって、“必要不可欠”な生理用品。しかし実際に名古屋の街で話を聞くと、コロナの影響でアルバイトが見つからず、生理用品を節約しているという人もいました。
「地元にいた時は親が (生理用品を)買ってきてくれるので、いま一人暮らしをしてみて、値段をみて使えるものをたくさん買う」
「バイトが見つからなかったら、使用頻度は減らすと思います」(アルバイトを探している女子学生)
この状況を受け、新たなサービスを始める企業も。
トイレの中のある機械に、専用のアプリを入れたスマホをかざすと、無料で生理用ナプキンが。
これは、民間企業が行った生理用品無料配布サービスの実証テスト。「トイレにトイレットペーパーは常備されているのになぜナプキンはないの」というネット上の声をきっかけに開発されました。
今年夏ごろをめどに全国での設置を目指しているといいます。
全国に広がる生理用品の無償配布。多くの自治体は、使用期限が迫っている防災備蓄用のものを配布していますが、仁藤さんは継続的な支援の必要性を訴えます。
「行政や学校で備蓄用の生理用品を無料で配布するのはいいと思う。備蓄のものが余っているからやるという発想ではなくて、継続的な支援を考えていかないといけない」(仁藤夢乃 代表)
今後、名古屋市では、今回の生理用品配布の申し込み状況をもとに、新たな女性支援について検討していくということです。