愛知県西尾市の沖合に浮かぶ無人島「梶島(かじしま)」に、「極上のアサリ」を求め、潮干狩りで人が殺到しています。いったい「極上のアサリ」とはどんなアサリなのでしょうか。
4月中旬、愛知県西尾市の漁港にできた長い行列。ほとんどの人が胴長靴を履き、中にはウエットスーツ姿の人も。
続々と船にのりこみ、「梶島」に向かいます。
島の港に到着すると、みなさん海岸へ。いまから何が始まるというのでしょうか?
「沖へとかごを持って、水につかりながら歩いていきます」(記者)
水の中で作業している人に聞いてみると。
「これ身がいっぱいはいってるよ 」
とっていたのはアサリです。
三河湾に浮かぶ小さな島「梶島」。この時期、潮干狩りをする人が殺到しているというのです。
「すごく身がプリプリで、ゆでたり料理すると、身がぷりっと飛び出てくるんですよ」
「おいしいじゃないですか。(Q.だからここがいい?)うん、ほかは行かない」(潮干狩り参加者)
ここのアサリは、ほかのアサリとちょっと違うといいますが、いざ、アサリをとろうとしてみると…。
「まわりは石ばかり。石しか出てこない」(記者)
実は、梶島のアサリは、石の間や石の下に生息しています。つまり石を取り除いては、掘り起こし、砂の中を探すという困難が待ち受けているのです。
「とにかく味は日本一。いろいろな条件がそろっているんだろうね。沖からの栄養分を含んだ水が流れてきて、植物性プランクトンが大量にいる」( 西三河漁業協同組合 鈴木修 理事)
梶島は、アサリのエサとなるプランクトンが豊富。加えて潮の通り道にあるため、アサリは潮に流されないよう石の下や岩場に潜みたっぷりの栄養をとって育つのです。
梶島の潮干狩りは、船代も込みで2300円。1日わずか3時間の勝負です。みなさん上限の約6キロまでとろうと必死。そこにはワケが。
実は梶島のアサリは、漁獲量が少ないためスーパーにも並ばず、周辺の魚屋にしか出回りません。
愛知県蒲郡市にある「蒲郡海鮮市場」。ここは三河湾一帯の様々なアサリを扱う店ですが、梶島産はめったに入らないものだといいます。
「うちではとりあつかうほど量はない。梶島産はない、今は」(蒲郡海鮮市場 尾崎伸悟さん)
では、もし入荷したらいくらになるのでしょうか?
「(1カゴ)3000円ぐらいですね。おいしいらしいです。売ってるだけで(自分の口には)入らない」(蒲郡海鮮市場 尾崎伸悟さん)
スーパーで売られる県外産のアサリと比べてみると、大きさはもちろんその厚みも違います。特によいものは、1キロ4000円を超えるなどお値段も5倍以上だというのです。
愛知県西尾市にある地元の店「魚直」で特別に料理していただきました。
“酒蒸し”にしても身が縮まず、その味はとにかく濃いのです。
「柔らかい。味がとっても濃いです」(記者)
その味の濃さは、味噌をあわせるとさらに香りがひきたちます。
極上のアサリが手にできる梶島の潮干狩り。6月上旬まで行われています。
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