子どもだった頃楽しみだった、給食。今、異変が起きているといいます。子どもたちの大好きなあのメニューが激減し、さらには必要とされる栄養素が足りていない、という事態も起きているそうです。
名古屋の街で聞いてみました。みなさんの、学校の給食での思い出は?
「毎日の楽しみでしたね。デザートがいいのだと、3時間目ぐらいからみんなそわそわしだして、『おい!きょう給食○○だぞ!』みたいな」(名古屋市出身・10代男性)
「(揚げパン)欠席の子がいたらみんなで取り合う。砂糖がついてるパンって珍しかったので」(三重県鈴鹿市出身・40代男性)
「パンの耳をとって、ギョーザみたいに具を詰めて、ネチネチッとして食べるのを男子たちと一緒にやって」(岐阜県岐阜市出身・30代女性)
クラスみんなで囲む、楽しい給食。今の小学校ではどうなっているのでしょうか。名古屋市緑区にある「名古屋市立浦里小学校」では。
Q.本日のメニューはなんですか?
「みそかつが出てきます」
「きしめんが楽しみです」(児童)
この日提供されていたのは、「だいすき!なごやめし」と銘打った特別メニューで、地元の愛着を深めてもらおうと企画された特別メニューでした。
おいしそうにほおばる、子どもたち。食べ始めて15分後。教室には、お代わり希望の長い列ができていました。
毎日違った味が用意され、栄養バランスも考えられている給食に、子どもたちは今も昔も夢中。
Q.何が一番好きですか?
「からあげ」
「アセロラゼリー」
「ミカンとかたまに出るので、それがおいしいです」(児童)
ところが、現在ある問題があるそうで…
「デザートの出せる回数が、少し減ってきたりというのは実態としてある。食材調達の価格が高騰しているところがありまして厳しい状況にある」(名古屋市教育委員会 小学校給食係 川口義宏 係長)
基本的には、保護者が負担することになっている、給食の食材費。名古屋市では月額3800円・1食当たり226円を集めて、食材費にあてています。この金額は2009年度から据え置かれているのですが、その間に主食は6%以上、牛乳は14%以上も値上がりしました。その結果、おかずやデザートにさける予算は徐々に縮小。
この日提供されたような特別メニューは、市が追加予算を組んでいるそうですが、それ以外の日は厳しい予算繰りとなっているといいます。
例えば、エビフライやヒレカツは年6回でていたものが、今やたった1回のレアメニューに。一方、単価の安い高野豆腐を使った料理は年2回から12回へと登場回数が倍増しました。
さらに、デザートも83回あったのが、49回。去年の3月の献立をみてみると、2日にグループフルーツゼリー、8日にはっ酵乳、そのあと19日にアセロラゼリーと1週間一度もデザートがないという状況です。
しかし、そこまで切り詰め調整しても、カルシウムや鉄分などの栄養は基準を下回ってしまっているといいます。
名古屋市では給食費が2009年度に月額3800円に。この月額3800円は、全国の政令指定都市の中では最も安い金額だといいます。名古屋市では今後、給食費の値上げは考えないのでしょうか?
「給食費をいくらに設定するのか、(増額分の)負担を保護者にしてもらうのか、一部も含めて市側でするのか、負担割合も含めて検討していくことになるかと思う」(名古屋市教育委員会 小学校給食係 川口義宏 係長)
子供の成長にも欠かせない、給食の充実。その費用をだれが負担するのか、今後の議論となりそうです。
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