スペースXのCEOイーロン・マスク氏。
Associated Press
・モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス(Adam Jonas)氏は、テスラとスペースXの合併可能性について触れた。
・この2社のCEOはいずれもイーロン・マスク氏。
・テスラにとって2018年は挑戦の年となる。だが、火星ミッションを追求するスペースXにとってもそれは同じだ。
2016年、テスラは業績不振にあえぐソーラーシティ(SolarCity)を買収した。当時イーロン・マスク氏は、テスラのCEOで、スペースXの会長だった。
民間のロケット会社スペースX(SpaceX)は、ロケットを発射し続け、火星ミッションへの道を開いている。新規株式公開(IPO)の噂も高まっている。だが、スペースXが上場を選択しない可能性もある。代わりにテスラと合併するシナリオも考えられるだろう。
モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス(Adam Jonas)氏は2社の合併の可能性について、12月5日(現地時間)に公表されたメモの中で言及した。
「我々は、イーロン・マスク氏が経営する最も大きい2つの企業が、戦略提携や技術移転、共同出資、もしくはその組み合わせなど、時間の経過とともに関係性を深めていく可能性はあると考えており、それには複数の理由がある」とジョナス氏は書いている。
スペースXは未公開企業なので、テスラがスペースXを買収するのは、公開企業だったソーラーシティよりも理論上はシンプルだ。また、それぞれサンフランシスコとロサンゼルスに拠点を置く2社を掛け持ちするロサンゼルス在住のマスク氏にとって、拠点が1つにまとまるというのも収まりがいい。
ジョナス氏は、さらにこの問題について切り込んでいる。
「我々から見て、テスラの『重要人物』でいるリスクは、我々がカバーしている他のどんな企業よりも高い。同等のリスクを背負っているのは、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のセルジオ・マルキオンネ(Sergio Marchionne)氏くらいのものだ」と同氏は言う。
「投資家は全般的に、イーロン・マスク氏がスペースXに自身の多くの時間と才能を注ぎ込むことを期待している。そうなると、テスラで誰が同氏の役割を引き継ぐのかという疑問が、現実味を帯びてくる。だが、2社が協力体制となることで、この問題は解決できる」
大衆向け車種「モデル3(Model 3)」の大量出荷を控えたテスラにとって、2018年は勝負の年となる。だが、投資家らはスペースXの野望を見逃してもいなければ、2つの企業の間にどれだけの相互作用があるのかを忘れてもいない。
※テスラの最新の株価はこちら。
[原文:There's growing speculation Tesla and SpaceX could merge — here's why a deal would make sense]
(翻訳:まいるす・ゑびす/編集:山口佳美)