2021年2月26日、ベネチア。
Manuel Silvestri/Reuters
・イタリアのベネチアでは、運河の水位が平均で18~19インチ(約46~48cm)下がった。
・2020年12月には高潮の影響でその水位は5フィート(約1m52cm)に達していた。
・急激な水位の変化は気候変動と関連していると、ベネチアの市長は主張している。
深刻な浸水被害に見舞われてから数カ月、イタリアのベネチアでは運河の水位が平均で18~19インチ(約46~48cm)下がり、一部で底が見えるような状況になっている。
ベネチアでは、10月から3月は「アクアアルタ」と呼ばれる高潮のシーズンにあたる。
ところが、地元の報道では水位が下がり、ベネチアの象徴とも言われるゴンドラが水辺に乗り上げている様子が伝えられていて、水位の低下が及ぼす影響の大きさを示している。
水位が下がり、水際に乗り上げているゴンドラ(2021年2月26日、ベネチア)。
Manuel Silvestri/Reuters
2020年12月には「MOSE(モーゼ)」と呼ばれる可動式の堤防が稼働せず、ベネチアは予期せぬ浸水被害に見舞われた。その水位は5フィート(約1m52cm)に達していた。
近年、最もひどい浸水被害は2019年に起きていて、その際の水位は6.3フィート(約1m92cm)と過去50年で最も高かった。
果物や野菜の乗ったカートを引いて、冠水したサン・マルコ広場を歩く男性(2019年12月24日、ベネチア)。
Manuel Silvestri/Reuters
ベネチアのルイージ・ブルニャーロ(Luigi Brugnaro)市長は以前から、急激な水位の変化は気候変動と関連していると主張している。
「水の都」とも呼ばれるベネチアは118の小さな島からなり、運河と400以上の橋でつながれている。その人口は26万人以上だ。
イタリア北東部に位置するこの歴史ある街は、絵のように美しい運河やその歴史、美術、建築のおかげで毎年、何百万という観光客を迎え入れている。
[原文:Venice's world-famous 'streets of water' left dry after dramatic low tides drained its canals]
(翻訳、編集:山口佳美)