世界中に多くのファンを持つF1。時速400キロ近いスピードで駆け抜けるF1は、モータースポーツの最高峰といわれている。モーターテクノロジーの粋を集めたF1マシンを操るドライバーには、強靭な体力と、F1マシンを精密に操るテクニックが要求される。
ドライバーにとって日々の練習は欠かせないが、そんなF1の世界を、VR技術により正確にシミュレートすることができるシステム「FormulaVR」が開発された。
リアルを追求したマシン
室内でも本格的なF1の走行練習ができる「FormulaVR」は、F1レーサーのために開発されたユニークでスタイリッシュなフルモーションシュミレーターシステムである。
実物大のコックピットを模したマシンに乗り込み操作する本格仕様で、このマシンに乗り込むと、ブレーキングポイントやコーナリングなどをよりリアルに感じることができるという。F1レーサーたちはこのシステムで安全に走行練習を行うことができ、実際のレースでのタイムを縮めるのに効果を発揮するのだ。
よりリアルなシュミレーションを実現するため、「FormulaVR」は細部にいたるまでこだわりをもってつくられている。「FormulaVR」一つで、コックピットにおいて多種多様な姿勢での操作が可能だという。さらに完全にカスタマイズ可能なペダルボックスは、実際にF1で使われているレースカーのように長さを調節することができる。
強くブレーキが踏まれた際には、実際のレース時と同様に圧力がレーサーにかかるよう、独自に開発された「VR-BeltForce」システムで圧力を再現することができるという。また「FormulaVR」では、路面の状態なども詳細に再現できる仕組みで、本物を知っている人も納得のマシンだろう。
2社の最強コラボ
「FormulaVR」がよりリアルなF1の世界を表現できる要因の一つに、「HelmetVR」の存在があるだろう。ヘルメット界のパイオニアといわれている「アライヘルメット」と、VR向けヘッドマウントディスプレイなどを開発・販売しているアメリカの「Oculus」社の協力により実現したヘルメットである。
「HelmetVR」は、ヘルメットを被るのと同じ感覚で、VRヘッドセットを装着できるため、真の走行練習を行う上で大きな役割を果たしている。モノづくりのテクノロジーと、VRというヴィジュアルテクノロジーの融合が、この「HelmetVR」なのだ。
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F1ドライバーは、常にクラッシュなどの事故のリスクと隣合わせだ。それは練習中であってもかわりはない。さらに、事故により高額なF1マシンが破損すれば、チーム全体に大きな負担をもたらすだろう。「FormulaVR」であれば、そうした事故のリスクなく、十分にスキルを磨くことができるだろう。
私たちを熱狂させるコンマ何秒の勝負の世界の裏には、こうしたテクノロジーの活用が欠かせない存在になっているのだ。
FormulaVR
Courtesy of FormulaVR