(ブルームバーグ): 米電気自動車(EV)メーカー、テスラの日本でのプレゼンスは、世間で言われる通り大きくない。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、世界3位の自動車市場である日本での販売が少ないことにいら立ちを感じているようだ。
テスラの昨年10-12月(第4四半期)決算発表に伴う24日のオンライン会見で、マスク氏は「日本のように市場シェアが著しく低い一部の地域が存在する。メルセデスやBMWといった日本以外の自動車メーカーと釣り合う市場シェアを少なくとも確保すべきだ」と語った。
日本の友人から聞いた話として、「認知度の低さ」を理由に挙げた。マスク氏は、米国以外で日本が最大市場になるとかつて予想していた。
ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、ブランドの認知という点ではテスラは高級感や性能、品質といった部分で「ドイツの高級車やレクサスに及んでいない」との見方を示した。「テクノロジーに詳しい人、新しもの好きの人、環境重視な姿勢を見せたい人にとっては、認知度が高く、ブランドイメージの中身としても良好なのだろうが、いかんせん人数が限られる」と続けた。
ハイブリッド車が普及する日本ではEVの存在感はこれまで限定的な水準にとどまってきたが、政府の補助金や充電インフラの改善などに伴い変化の兆しが見られる。輸入EV台数も増加が続いているが、世界最大のEVメーカー、中国の比亜迪(BYD)を含め他の海外ブランドもEVラインアップを拡大しており、テスラは思ったように台数を伸ばせていない。
日本自動車輸入組合が発表した2023年の輸入車新規登録台数によると、EVは前年比60%増の2万2890台と5年連続の増加となった。一方、同組合のデータでテスラが分類される「others(その他)」の昨年の乗用車販売は6.8%減の5522台だった。