迷惑チャリンカーには逆襲だ! 自転車の持ち主に無断でワイヤーロックを取り付けたーー。ネット掲示板に告白が投稿され話題になった。
投稿者は、自宅敷地前の迷惑駐輪をこらしめるために、ワイヤーロックを取り付けているのだという。自転車が敷地前に止められていることで、車が出庫しにくいなど、具体的な迷惑もこうむっているという。
本人は「ルールを守らないやつにはお仕置きしないとな」と述べており、悪いのはあくまで迷惑駐輪をしている方という考え方のようだが、他人の自転車に勝手に鍵をかけることは法的に問題はないのか。東山俊弁護士に聞いた。
●「器物損壊罪」にあたる可能性
他人の自転車に持ち主に無断でワイヤーロックを取りつける行為は、器物損壊罪になる可能性があります。
器物損壊における、『損壊』の意味は、一般的な『壊す』という意味より広く、モノの効用を害する行為、つまり、物を使いものにならなくする行為があてはまると考えられています。
自動車に関していえば、判例は、自動車の車輪を外して撤去することは器物損壊にあたるとし、一方で、タイヤの空気を抜く行為は器物損壊とならないとしています。
どちらも、自動車を壊しているわけではありませんが、後者は、空気を入れれば自動車を使用できるのに対し、前者は、撤去されたタイヤを見つけない限り、自動車を使用できないことが理由であると考えられます。
ワイヤーロックに関しては、ロックを解除しない限り自転車を使用できない以上、自転車の所有者は、簡単には自転車を使用できない状況に置かれますので、器物損壊になる可能性があると考えます。
●「迷惑駐輪」にはどう対処すればいい?
通行の邪魔になっているような場合には、邪魔にならない場所に動かすこと程度は許されると考えます。
ただし、自転車の所有者が探し出せないような場所に移動すると、窃盗罪が成立する可能性もありますし、損害賠償を請求される可能性もあります。近くに移動したり、移動先を表示したりする必要があるでしょう。