19年ぶりの4月単独首位と快進撃を見せている横浜DeNA。現地で取材を重ねる神奈川新聞の番記者が「月間ベストゲーム」と題し印象深かった一戦を厳選していく。
4月26日 横浜DeNA5―2ヤクルト
これが昨年、難病で歩くことも困難だった人が投げるボールなのか。
4月26日のヤクルト戦。2番手で登板した三嶋が、七回の1イニングを投げて3三振を奪う快投を見せた。「同点の場面でしっかり結果を出せたってことは、僕の中でもすごく次につながる」。裏の攻撃で味方打線が勝ち越し、約1年ぶりの復活白星だ。
その投げっぷりは貫禄十分だった。150キロ超の直球、切れのあるスライダー。ポーカーフェイスを崩さず、堂々と、淡々と投げ込んでいく。
試合終了直後の取材ゾーン。「うれしい。うれしいんですよ、僕」。ほとんど表情を変えずそう言って、報道陣を笑わせた。
この試合を含め、なんと4日間で3勝。勢いのある投球は、打線の流れを間違いなくつくっているはずだ。
病気で苦しむ人へ、三嶋は希望の光でありたいと願っている。「プロとして、マウンドで戦っている姿は勇気を与えると思う」。その剛腕で、真っ向勝負する姿は誰よりかっこいい。
外部リンク