ベイスターズ2軍の今を追う「REPORT BY DOCK」。今季も1軍昇格を目指す若手の思いや取り組みに迫っていく。
久しぶりに間近で見て感じた変化は間違いではなかった。横浜DeNAの三浦銀二投手(23)は2軍で投球フォームを微修正し、イースタン・リーグで11試合10回2/3でいまだ無失点。大卒2年目の右腕は1軍定着を期して、結果を求める日々を過ごしている。
ルーキーイヤーの昨季に続いて今シーズンも開幕1軍に入ったものの、初登板の4月4日の巨人戦(横浜)で1回4安打4失点と結果を残せず、2軍降格を命じられた。
その後見いだした活路は、リリースポイントの変更だった。「体の割に(腕の角度が)上から過ぎるのではないか」という趣旨の言葉を、ファームの投手育成を預かる大家、小杉両コーチから受けたこともあり、従来の投球フォームよりも下げたという。
「指のかかりは断然良くなったし、体全体を使って投げられている感覚はある」と三浦。プロの投手としては決して大きくはない体が、以前に比べると躍動感にあふれているように映った。
7日のイースタン・リーグ日本ハム戦では3者連続三振で、横須賀のファンを大いに沸かせた。三振は「出力も含めて精度を上げていかないといけない」と言う直球で全て奪った。バッテリーを組んだ育成ルーキーの上甲は「腕を下げてからはボールが吹き上がっているように感じる」と球質の向上を認める。
昨季の三浦は1軍登板6試合で防御率10・80。プロの実力を痛感した。ファームの打者との最も大きな違いは「追い込んでも簡単に打ち取らせてくれないしぶとさ」。だからこそ2ストライク後のウイニングショット、そして自分の意図通りに打者に反応させることに重きを置いている。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)後にファームで調整していたエース今永が、練習を終えてもなお変化球の握り方を試行錯誤する姿を目にした。「あれほど活躍している人がまだまだピッチングを研究している。自分はもっとしないといけない」と触発された。
「もう1軍に上がるだけではなく、定着することが目標」と、大家コーチはハードルを課している。三浦も「戦力になりたい気持ちは大きいので、1軍に呼ばれたタイミングで自分の力をしっかり出せるように」。もうチャンスは逃したくない。
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