うなるストレートが、躍進の予感を漂わせる。フリー打撃に初登板した横浜DeNA3年目の石川が1軍定着へ順調な仕上がりをアピールした。
佐野、桑原、大田ら主力が相手。「こんなにいい打者に投げるチャンスはない」。力試しとばかりにオール直球の39球を投じた。最速144キロ。回転数はプロの平均値を上回る2300を記録した。
大田には甘く入った球を左翼席に運ばれたが、「高さを間違えただけ」と次は外角低めにきっちりと投げて凡打に。「捉えられた打球は5球もなかった。自信になった」と納得顔だ。
昨季途中に支配下登録されるも登板3試合にとどまった。「今年結果を出さないと来年はない」。決死の覚悟で、オフは法大の先輩の石田と三嶋に頼み、厚木の合同自主トレーニングに参加した。1軍での調整方法を学び、フォームも腕のテイクバックをコンパクトに微修正。「夜は必ずラーメンを食べた」と体重も4キロ増やした。
プライベートでは横浜高で二枚看板として活躍した藤平(楽天)と再会。「去年のあいつの活躍を見て、負けちゃいけない」と改めてライバル心を燃やす。
左の救援投手では砂田が中日に移籍し、チャンスが舞い込んだ。木塚投手コーチから「来年は40試合に投げないとだめだぞ」と激励された。先発への思いもあるが、「1年間1軍で戦いたい。リリーフなら40試合」と石川。スタートダッシュを決めたまま、キャンプを完走してみせる。
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