神奈川新聞連載「教えて!野菜博士」を執筆する全国最年少「野菜ソムリエプロ」の緒方湊さん(13)=横浜市青葉区=は横浜DeNAベイスターズの大ファン。25日の開幕を控え、選手の好みを交えて野菜の紹介をします。
『横浜反撃』をスローガンに着々と反撃の準備を積み重ねてきた横浜DeNAベイスターズ!
牧選手、オースティン選手を中心に、横浜が誇る強力打線に加えて、東投手の復帰で期待も高まります。東投手といえば、ベンチに戻って食べるバナナが有名ですが、毎日トマトを食べているそうです。
トマトは夏野菜のイメージが強いですが、春のトマトも是非食べてみて下さい。
トマトの原産地である南米アンデス山脈の高地の気候は、日差しは強いですが、昼夜の寒暖差があり、比較的乾燥していて清涼な気候です。
トマトは高温多湿に弱い野菜なので、日本の「春」が一番トマトには合う気候です。冬の寒い時期をじっくりと成長したトマトはうまみもじっくりと蓄えているので、味が濃いように感じます。
夏が旬というのは、ハウス栽培ではなく露地栽培が中心だったころ、春に種を撒き、夏に収穫していたため市場に出回るのが夏、つまり一番手に入るのが多い時期が夏だったので、トマト=夏のイメージが強いのです。
暖かい地域が原産なので、トマトを冷蔵庫に入れっぱなしにしておくと低温障害を起こします。すぐに食べない場合は、少しかためのトマトを選び、1つずつキッチンぺーパーに包み、ヘタを下にして部屋の常温(15ー25度)で保存します。
ちなみにバナナは、すぐにエネルギーに変わる糖と、体内でゆっくり消化される糖の両方が含まれているので、食べてすぐにパワーになり、かつ長時間パワーを持続すると言う点からおすすめの果物です。
さらに、バナナに豊富に含まれるカリウムには筋肉のけいれんを防ぐ働きがあり、マグネシウムやビタミンB群があるので疲労回復にも効果的です。そして精神を安定させるとされるセロトニンも含んでいるので冷静なピッチングにピッタリの果物だと言えます。
キャッチャーの戸柱選手はピーマンが苦手とのことです。戸柱選手に限らずピーマンが苦手な人はたくさんいらっしゃると思います。
ピーマンが苦手な理由は大きく分けると「苦味」が理由になることが多いです。ピーマンは唐辛子を品種改良し、食べやすくした野菜で、普段よく目にする緑色のピーマンは未熟なうちに収穫したものなので苦味があります。完熟したピーマン(赤ピーマン)ならば苦味が少ないので食べやすいです。
これなら戸柱捕手も食べられる!?
ピーマンの細胞は縦に並んでいるので、横に切る(輪切り)とピーマンの細胞を壊し、そこから苦味成分(クエルシトリン、ピラジン)が出てきてしまうので、苦く感じます。繊維の向きに沿って切る(縦切り)だと苦味や臭みを感じにくくなります。
またピーマンの苦み成分は油に溶ける性質があるので、油通しや油を使った調理をすると苦味が少なくなります。チンジャオロースのピーマンがあまり苦味を感じないのは、これらの理由からなのです。
いよいよ、反撃の2022シーズンが始まります。逆境という名の最高の舞台で戦う選手の皆さんの活躍と、野球の話題やSNSが「横浜優勝」であふれる日々を期待します。
~されば港の数 多かれど この横浜に 優るあらめや~
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