拍手喝采のハマスタで、ベイスターズ戦士が塁上を駆け巡る。首位攻防3連戦の締めくくりを彩ったのは、看板の打線だった。
阪神先発の才木は直近3試合で21イニング無失点。それでも交流戦でエース級をKOしてきたベイ打線は、要所で的確に好右腕を攻略した。
二回、伊藤の右飛で三走宮崎が激走して先制点を奪う。「いい点の取り方だった」。いつもは辛口の石井チーフ打撃コーチがたたえた。
二、三回の得点は森、桑原がそれぞれ四球でつないで生まれたもの。1点差に詰め寄られた直後の五回は牧と宮崎の連続二塁打で突き放した。主将佐野も2本の適時打を放つ仕事ぶりだ。
「選手個々が持ち場で役割を果たした結果」と石井コーチ。5月の敵地甲子園で3連敗を喫した後、阪神に明け渡した単独首位の座を、今度は3連勝で44日ぶりに奪い返した。
球団史上初の交流戦優勝が決まるという19日の日本ハム戦(横浜)に敗れた。石井コーチ、そして相川チーフ作戦兼バッテリーコーチはこの敗戦を同じ言葉で総括した。「勝ちきりたかった。今後、絶対に勝たないといけないという大事な試合が必ずある。チームとしてもう一つ上に行くためにはそういう試合で勝つ経験が必要」と。
それからわずか1週間足らず。シーズン前半の重要な一戦で勝ちきったことに価値がある。
今季の本拠地での週末デーゲームは11戦負けなし。ハマスタでの対阪神の連勝は13に伸び、さらに貯金は日本一に立った1998年以来となる12と、喜ぶべき数字が並ぶ。
それでも、三浦監督が「先は長いので1試合ずつしっかりやっていく」と引き締めれば、佐野も「来週以降もしっかり準備して戦っていく」と慢心を見せない。取り戻した頂点の景色。できるならこのまま見続けていたい。
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