背番号が期待の大きさを物語っていた。横浜DeNAは9日、ドラフト1位で指名した大阪桐蔭高の松尾汐恩捕手(18)と大阪市北区のホテルで入団交渉し、契約金1億円、年俸1100万円で合意した。背番号は「5」に決定。松尾は「偉大な先輩が築き上げてきた番号。自分もそういう選手になれるように頑張りたい」と背筋を伸ばした。
背番号5と言えば、プロ8年目の倉本が今季限りで自由契約となり、空き番になったばかり。その前は他球団から移籍してきた森本、野口が付けた。さらにさかのぼれば、石井チーフ打撃コーチが15年間、背負っている。
松尾に大きな期待を抱いているのが、その石井チーフ打撃コーチと1998年に日本一を成し遂げた進藤達哉編成部長だ。「石井琢朗という名球会に入った選手が付けていた。超えられるような選手になってほしい」
昨年の小園に続いて2年連続で高校生を1位指名したベイスターズ。今季は3年ぶりのリーグ2位と躍進した一方、若手の伸び悩みは課題の一つだ。
捕手の顔触れを見ても、今シーズンは嶺井、戸柱、伊藤光のベテラン勢を脅かす選手が出てこなかった。筆頭格の5年目山本は17試合の出場で打率1割3厘と打撃に苦しんだ。4年目益子は今季1軍デビューを飾ったばかり。3年目の東妻も2軍で技術を磨いているところだ。
球団(前身を含む)では1989年入団の谷繁元信以来、34年ぶり2人目の高校生捕手1位指名。「3年間頑張ってしっかりレギュラーになって、打てるキャッチャーに」と球団から求められている松尾は、「長所の積極的なバッティングとスピード感のあるプレーを生かして、レギュラーを獲りたい」。最高峰の世界で戦う覚悟は早くもできている。(金額は推定)
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