横浜DeNAは交流戦前のシーズンの約3分の1を終えて、24勝19敗1分けの2位(29日現在)。好調の要因は先発ピッチャーの頑張り、それが一番だ。試合運びがうまく、野手陣と投手陣がかみ合っているなという印象を、開幕からずっと持っている。
頼もしい石田
先発の中でも、石田がいい。彼の意地を見たのが17日の広島戦。4点は失ったが、5回まで投げ抜いた。この日は中12日空いての登板。中6、7、8日くらいだったら微調整で済むが、1週飛ばしてとなると、なかなか難しい。私も現役時代に中14、15日空いて投げて、また同じくらい空いての登板があったが、2試合ともふわふわしていた。
それでも、石田は調子が悪いなりにもバッターを押し込めていた。カーブもフォークボールもいいが、特に真っすぐがいい。試合を壊さず、悪いなりにも粘れていて頼もしい。
山崎 気になる状態と場面
リリーフ陣は言うことなし。本当に強い。あえて言うなら、勝ちパターンに左がいないのと守護神の山崎の状態が気になる。
(26日に登録抹消された)坂本は、ボール自体はかなりいい。スピードに合った球の質がある。23日の巨人戦で6点リードの九回に登板したが、先頭にホームランを打たれた後の四球が良くない。中継ぎは大事なときに四球でランナーを出して、ドカンと打たれてはいけない。いかに四球を出さないかが大事になる。あとはリリースの感覚。疲れた時にも同じフォームで投げることができれば、リリースは安定する。そのフォーム、リリースの感覚をつかめれば、勝ちパターン入りも先発返り咲きも狙える。背番号20の後継者としてすごく期待している。
山崎はフォームがしっくりきていないのか、ツーシームを引っかけてしまう場面が多い。左足の上げ方をゆっくりしたり、工夫しようという姿はかなり見られる。経験のある選手なので、必ず修正するだろう。
交流戦 優勝目指す立ち位置
30日からは交流戦が始まる。昔のセ・リーグは150キロ台中盤を投げる投手は少なく、セの打者はパワーで負け、毎年パ・リーグに勝ち越されていたが、もうそんな時代ではない。球界全体を見て、ピッチャーは同レベルだ。チームとしてリーグ優勝を目指すなら、交流戦は1か2か3位のどこかにいてほしい。悪くても5位。
まずは基本に立ち返ろう。先発はクオリティースタート(6回を投げて自責点3以下)を達成して試合をつくる。中継ぎは1点も取らせないという気持ちで。山崎はセーブシチュエーションは100%成功。そこの数字は目指してほしい。
すだ・こうた
JFE東日本から2011年にドラフト1位で横浜(現横浜DeNA)入団。通算166試合で16勝19敗1セーブ、防御率4・81。19年からJFE東日本に復帰し、同年の都市対抗大会で初優勝。茨城県出身。36歳。
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