ベイスターズ2軍の今を追う「REPORT BY DOCK」。1軍昇格を目指す若手の歩みに迫る。
うなりを上げるような剛速球ではない。それでも制球力と緩急を駆使してバットに空を切らせるサイドスローが、鮮烈な印象を刻む。横浜DeNAの深沢鳳介投手(19)が17日のイースタン・リーグ巨人戦(横須賀)に先発し、7回1失点5奪三振と好投した。着実に階段を上がっているように見える2年目右腕に現状を聞いた。
どこかひょうひょう 本音は
入団時に比べて体が太く、厚くなっていることが一目で分かる。プロ入り直後は72キロほどだったという体重は80キロまで増えた。深沢は「もちろん増やそうと思っていたけど、吐くほど食べたとかではなくて寮のご飯がおいしくて自然と増えた」。どこかひょうひょうと話す。
ただし、それはあくまでプロ野球選手にとっての“自然”。昨年7月に実戦デビューを果たすまでの期間は、ブルペンでの球数や球種は制限され、土台となる体をつくるための筋力トレーニングが日々の練習の大部分を占めていた。「投げられなくて、しんどいことの方が多かった」と投手の本音がこぼれた。
平良の助言と優しさ
今は、強くなった体を投球フォームや実戦での投球へ結びつける方向へシフトしている段階にある。中6日程度の間隔で2、3試合に登板したら、一度長く間隔を空け、重点的にトレーニングに充てる育成方針だ。
球種はスライダー、カットボール、カーブ、スプリット、ツーシームと豊富。スライダーは昨秋、同じ右横手投げで参考にしている平良に教えを仰いだ。深沢は変化球を投げる際に腕の振りが緩む傾向があったというが、平良からは「しっかりと腕を振ってコントロールできるようにした方がいい」と助言を受けた。
平良は今季の深沢の投球を映像で見たという。「僕の2年目とは比べものにならないくらい、深沢はいい」。後輩への優しさも交えてそう評した。
大貫も手本に
深沢にはもう一人、チーム内で手本にする投手がいる。「平良さんと大貫さんの中間のようなイメージが理想」。その大貫からはツーシームを教わったが、「まだまだなので、頑張って練習しないといけない」と磨きをかける日々だ。
同期のドラフト1位は三浦監督から背番号18を継承した同学年の右腕、小園。ただ深沢は「成績で勝ちたいけど、意識はし過ぎていないつもり」。静かに、確かに力を伸ばし、今季中の1軍デビューを見据えている。
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