24年ぶりの日本一を目指す横浜DeNAはリーグ屈指の打線を誇る一方で、昨季のチーム防御率はリーグワーストに終わった。今季から就任した石井琢朗野手総合コーチ(51)も守備面の重要性を説き、3年目の森が遊撃のポジションを奪うために必要な要素とも重なる。
─森の傍らには石井コーチがいる。
「周りの期待が大きいから、僕もやらないといけなくなっている。もちろん今のDeNAに足りないピース。彼自身がうまくはまってくれると、打つだけと揶揄(やゆ)されているところが解消される。彼には走力があるので」
─レギュラーをつかむために必要なことは。
「やっぱり打力よりも守備力。足を生かす打撃は絶対にできるので、一にも二にも守ること。しっかり守れないと絶対にゲームには出られない」
─キャッチボールから目を光らせている。
「やっぱり若さ故のむらっ気があるので。こればかりは『うるせえな』と思われるくらいしつこくやっていくつもり」
─開幕までにどんなビジョンを描いているか。
「基本はノープラン。キャンプが全てじゃないし、開幕戦で負けても143試合の1試合ということ。シーズンをどう戦うか。今何ができるか、この状況で何を与えられるのか。練習メニューでも一日一日。僕はその積み重ねだと思っている」
「計算通りにいかないのが野球だし、まさに人生だと思っている。プラン通りできていたら野球のコーチなんてやっていない。もう別の分野に進んでますから。哲学者になっていますよ(笑)」
─スタッフには優勝メンバーが戻ってきた。懐かしさも感じる。
「じわりじわりと。いろいろと(斎藤)隆さんが中心となって、当時の懐かしい話をしてくれる。それに乗っかっていろいろと。でも過去は過去なので。僕はもう過去を捨てている。今の時代の自分たちに何ができるか、何を伝えられるか。あの当時は良かったのかもしれないけど、あの当時の野球をやっていれば勝てるのかと言うとそうじゃない。周りも変わっているし、チーム自体も変わっている。今の時代の選手にうまく落とし込めたら。その力になれればいいなと思っています」
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